施工管理1年目がつらい、怒られてばかりで向いてない?|責められる場面5つと先回りの段取り

この記事には広告(PR)が含まれることがあります。掲載している数字・内容は、広告の有無に関係なく公的データや公表資料をもとにしています。
施工管理1年目に怒られてばかりなのは、向いていないからとは限りません。1年目が責められる場面はだいたい決まっていて、多くは「現場が動き出す前に決まっていなかったこと」が原因です。前日のうちに図面で決まっていない所を洗い出し、上司に確かめてから職人さんに伝える。この順番を作るだけで、言われる回数は減らせます。それでも会社の体制のせいで減らない場合は、続ける場所を考え直す時期です。
1年目で怒られてばかりなのは向いてないから?
1年目の監督が置かれているのは、まわりがほぼ全員年上という職場です。総務省の労働力調査をもとにした国土交通省の資料では、建設業で働く人のうち55歳以上が36.6%、29歳以下は11.9%です。
出典: 国土交通省「建設業を取り巻く状況等について」(総務省「労働力調査」をもとに作成) リンク
職人さんは何十年も同じ納まりを見てきた人たちで、1年目の監督より現場の段取りを知っています。その中で「監督」として指示する側に立つので、知らないことがあるとすぐに目立ちます。怒られる回数が多いのは、知らないことが多い時期だからで、能力の話とは分けて考えてください。
Xでも、上司に怒られ職人さんに怒鳴られ、同期が何人も辞めていった、という1年目の声を見かけます。同じ状況にいる人は少なくありません。
1年目が責められやすい場面5つ
責められる場面には型があります。どれも、現場が動き出す前に決めておけば防げることが多い場面です。
| 場面 | なぜ起きるか | 先に決めておくこと |
|---|---|---|
| 納まりが決まっていないまま作業が始まる | 照明の位置や開口の寸法など、図面で決めきれていない所が残っている | 着工前に「決まっていない所リスト」を作り、上司か設計に確かめる |
| 資材や重機が来ていない | 搬入の日時を業者に伝え忘れる、前日の確認をしていない | 前日の夕方に、翌日の搬入をすべて電話かメールで確かめる |
| 職人さんへの伝言がずれる | 上司から聞いたことを、自分の言葉で言い換えて伝えてしまう | 図面に書き込んで見せる。口頭だけで伝えない |
| 工程の変更を知らせるのが遅れる | 変更を聞いても、どの業者に響くか分かっていない | 変更が出たら、工程表で前後の業者を指で追って連絡する |
| 新規入場の書類や安全の段取りが抜ける | 初めて入る業者の書類の流れを知らない | 新規入場の予定を週の初めに一覧にして、書類をそろえておく |
最初の場面は、とくに起きやすい場面です。Xには、照明の位置を決めきれないまま内装が始まり、職人さんに「こんなんじゃできねえ」と言われた1年目の投稿もありました。決まっていないことを、決まっていないと先に言えるかどうかで、現場での言われ方は変わります。
職人さんに強く言われたときの受け止め方や、言い返さずに場を収める方法は、現場の職人に怒鳴られる施工管理の記事で詳しく扱っています。
怒られた後にやること
怒られた直後は、言い方の強さばかりが頭に残ります。その日のうちに、何が原因だったかを1行だけメモしてください。「照明の位置が未決のまま内装に入った」「搬入の時間を伝え忘れた」のように、場面と原因を書きます。1か月分たまると、自分が抜けやすい所が見えてきます。
同じことで2回怒られないように、メモを前日の段取りの確認項目に足していく。これを繰り返すと、2年目に入るころには自分用の確認表ができあがります。
メモは、次の4つの欄を作っておくと書きやすくなります。
| 欄 | 書く例 | 後でどう使うか |
|---|---|---|
| 日付と現場 | 11月5日、3階の内装 | 同じ工程の時期に起きやすいことが見える |
| 場面 | 照明の位置が決まらないまま天井の下地に入った | 上の「責められやすい場面5つ」のどれに当たるかを分ける |
| 原因 | 設備図と天井伏図で照明の位置が違うのに、前日に見比べていなかった | 自分で防げたことか、会社の決め方の問題かを分ける |
| 次から前日に確かめること | 天井に入る前日に、設備図と天井伏図を並べて見る | 前日の段取りの確認表に1行足す |
原因の欄に「上司に聞いても答えが来なかった」「1人で2つの現場を見ていた」のような、自分では防げない理由が続くなら、段取りではなく会社の体制の問題です。そのメモは、上司に相談するときや、続けるかどうかを考えるときの材料になります。
言われる前に決めておく、前日の段取り
1年目のうちは、翌日の段取りを前日の夕方に15分だけでも見直す習慣があると、朝の慌て方が変わります。順番は次の4つです。
2で上司がつかまらない場合は、聞きたいことを箇条書きにしてメールやチャットで送っておきます。答えが朝までに来なければ、その作業を後に回せないか職人さんに相談する。決まっていないまま作業を始めてしまうより、ずっと揉めにくくなります。
4の紙には、図面の該当部分と、決まったことを書いておきます。口で言うより、紙を指して話す方が伝言のずれが減ります。職人さんから質問が出たら、その場で答えられない時は「確かめて何時までに返します」と時刻を言うと、待たせても怒られにくくなります。
1年目だけど、この会社で続けていいのか分からない
段取りを工夫しても、会社の体制のせいで状況が変わらない場合があります。続けてよいかを見るときは、自分の頑張りではなく、会社の決め方を確かめてください。
| 見る所 | 続けやすい会社 | 考え直したい会社 |
|---|---|---|
| 聞ける相手 | 同じ現場に先輩や所長がいて、質問できる | 1年目から1人で現場を任され、相談先がない |
| 怒られ方 | 何が悪かったかを言ってもらえる | 人格を否定する言い方が毎日続く |
| 残業と休み | 勤怠を正しく付けられ、休日の予定が立つ | 残業を付けないよう言われる、休みが毎週なくなる |
| 資格 | 受検の費用や勉強の時間を考えてくれる | 受検の話を出しにくい雰囲気がある |
2024年4月からは、建設業にも時間外労働の上限規制がかかり、原則は月45時間・年360時間です。残業を付けないよう言われる、人格を否定する言い方が続く、といった場合は、上司以外に社内の相談窓口や、外の総合労働相談コーナーに相談できます。上限規制の中身は施工管理の2024年問題の記事で整理しています。
出典: 厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」 リンク
右の列が多い会社なら、施工管理のまま、若手を育てる体制のある会社に移る道があります。20代・30代の建設経験者向けの求人サイトで、教育の体制や現場の人数が書かれた求人を見比べると、今の会社との違いが分かります。
ただし、1年目はどの会社でも覚えることが多く、怒られることもあります。移るかどうかは、怒られる回数より、聞ける相手がいるか、勤怠や休みが守られているかで判断してください。
1年目のうちにやっておくと後で効くこと
続けるにしても移るにしても、1年目のうちに手を付けておくと後で選べる道が増えることが2つあります。
1つは資格です。2級施工管理技士の第一次検定は、試験の年度に17歳以上なら実務経験がなくても受けられます。1級の第一次検定も、2024年度から19歳以上なら受けられるようになりました。第一次検定に受かると「技士補」になり、勉強を続けていることを形で示せます。
出典: 国土交通省「令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります」 リンク
もう1つは、担当した工事の記録です。工事の用途、規模、工期、自分がやった仕事を、現場が変わるたびに1行ずつ書いておきます。第二次検定の実務経験の記述にも、転職の面接にも、この記録がそのまま使えます。
記録には、うまくいったことも書いておきます。「搬入の段取りを前日に確かめて、朝の待ちがなくなった」のような小さなことで十分です。怒られた記憶だけが残りやすい時期なので、できるようになったことを目で見えるようにしておくと、続けるか移るかを落ち着いて考えられます。
もう辞めたいという気持ちが強い場合は、新卒で施工管理を1年以内に辞めたいときの記事で、辞め方の順番を図にしています。
よくある質問
- 職人さんに怒られるのが怖くて、現場に行くのがつらい。どうしたらいい?
- まず、どの場面で怒られたかを書き出してください。決まっていない納まりや伝言のずれが多いなら、前日の段取りで減らせます。眠れない、朝に体が動かないといった状態が続くなら、医療機関にかかることを先にしてください。
- 上司に聞いても「自分で考えろ」と言われる。聞かない方がいい?
- 聞く前に、自分の案を1つ持っていくと答えてもらいやすくなります。「ここはこう納めようと思いますが、いいですか」と聞けば、考えたうえで確かめていることが伝わります。
- 1年目で辞めたら、施工管理はもうできない?
- できます。若い経験者を探している会社はありますし、第二新卒として採る会社もあります。担当した工事とやった仕事を話せるようにしておくと、次の面接で困りません。
- 同期がどんどん辞めていく。自分も辞めた方がいい?
- 同期が辞めた理由と、自分がつらい理由が同じとは限りません。自分の理由を「仕事」「会社」「配属」に分けて、会社の決め方が原因なら移る、配属が原因なら異動を相談する、と分けて考えてください。
次にやること
- 今週怒られた場面を書き出し、5つの場面のどれに当たるかを分ける
- 明日の作業の図面を今日の夕方に開き、決まっていない所に印を付けて上司に聞く
- 2級施工管理技士の第一次検定の日程を確かめ、担当した工事の記録を1行ずつ書き始める
セコカン転職マップ編集部
施工管理の働き方と転職について、国土交通省・厚生労働省などの公的データと、求人票・試験団体の公表資料をもとに調べて書いています。数字には出典と年度を付けています。



