転職の進め方

施工管理で適応障害になり休職中、もう現場に戻れない?復職か転職かを決める順番

セコカン転職マップ編集部

施工管理で適応障害になり休職中、もう現場に戻れない?復職か転職かを決める順番

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施工管理で適応障害と言われて休職したら、最初の数週間は「復職か転職か」を決めなくて大丈夫です。決めるのは、主治医が「働ける」と判断してからで間に合います。休職中の収入は、健康保険の傷病手当金(給与のおおよそ3分の2、支給開始から通算1年6か月まで)で支えられる場合があります。戻るか移るかは、元の現場の条件が変わるかどうかで考えると迷いが減ります。

この記事は医療の判断をするものではありません。症状や休む期間は主治医に、会社とのやり取りや給付の細かい扱いは社労士や労働基準監督署に相談してください。

休職中なのに現場のことが気になって休めないのは普通?

休職に入っても、工程表の続きや引き継いだ職人さんへの連絡が頭から離れない。施工管理の人からはよく聞く話です。Xでも、施工管理を4年続けたところで「メンタルが壊れて休職」したという投稿を見かけます。現場は止まらずに動き続けるので、自分だけ止まっている感覚になりやすい仕事です。

気になること自体はおかしくありません。ただ、休職中に現場の電話に出たり、書類を家で仕上げたりすると、休みの意味が薄れます。休職に入るときに、引き継ぎの窓口を1人決めてもらい、連絡はその人経由にしてもらうよう会社に頼めます。

時期やってよいこと後回しでよいこと
休職に入ってすぐ通院、睡眠と食事を整える、会社の連絡窓口を1人に決める復職か転職かの結論、求人探し
少し落ち着いたころ傷病手当金の申請、就業規則の休職の決まり(期間・復職の手続き)を読む退職届、面接の予約
主治医が回復を認めたころ戻る場合の条件を会社と話す、移る場合の情報集め工期に合わせて復職日を急いで決めること

休職の期間や、休職中の給与の扱いは、法律で一律に決まっているものではなく、会社の就業規則で決まっています。休職期間が終わる日がいつかは、早めに確かめておくと安心です。

会社とのやり取りで決めておくこと

休職に入るときに次のことを決めておくと、休んでいる間に会社から何度も連絡が来るのを防げます。体調が悪くて自分で話せないときは、家族に代わりに聞いてもらってもかまいません。

  • 連絡の手段と頻度: 月1回、メールで体調を伝える、など
  • 診断書の出し先: 直属の上司か人事か
  • 傷病手当金の申請書: 会社が書く欄を誰が受け持つか
  • 社用の携帯とパソコン: 休職中は預けるか、電源を切ってよいか

現場の引き継ぎで分からないことが出たときも、窓口の人がまとめて聞いてくれる形にしておけば、職人さんや協力会社から直接電話が来ることは減ります。

休職中のお金は傷病手当金で支えられる

会社員として健康保険に入っていれば、仕事以外の病気やけがで働けず、給与が出ない日について、傷病手当金を受け取れる場合があります。協会けんぽの説明では、仕組みは次のとおりです。

傷病手当金が出るまでと出る期間 休み始め3日 待期(支給なし) 4日目から支給の対象 支給開始日から通算1年6か月まで 1日あたりの額の目安 標準報酬月額の平均÷30×3分の2 給与が出ている日は対象外(少ない場合は差額)
図: 傷病手当金の待期と支給期間(協会けんぽの説明をもとに作成)

出典: 全国健康保険協会(協会けんぽ)「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」 リンク

待期の3日には、有給休暇や公休日も含まれます。会社の健康保険組合に入っている人は、組合ごとに上乗せの給付があることもあるので、組合のページか人事に確かめてください。

休職の原因が長時間労働や現場での強い叱責など、仕事にあると考えられる場合は、健康保険ではなく労災保険の対象になるかどうかの話になります。ここは自分で判断せず、労働基準監督署か社労士に相談してください。勤怠の記録や、工程が詰まっていた時期のメモは、相談のときに役に立ちます。

元の現場に戻るのが怖い。復職するしかない?

復職は、いきなり元の現場に戻ることだけを指すわけではありません。厚生労働省の「職場復帰支援の手引き」は、休業から復職後までを5つの段階に分けています。会社によって運用は違いますが、流れを知っておくと、会社と話すときの順番が分かります。

職場復帰までの5つのステップ 1休業の開始と、休業中のケア 2主治医が「復職できる」と判断する 3会社が可否を判断し、復帰の計画を作る 4最終的な復職の決定 5復職後のフォローと計画の見直し
図: 職場復帰支援の5つのステップ(色付きの段で配置や働き方を話し合う)

出典: 厚生労働省・労働者健康安全機構「改訂 心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」 リンク

施工管理の人にとって大事なのは3の段階です。ここで、復帰後の働き方を具体的に話し合います。たとえば「最初の数か月は現場を持たず、工務部で積算や書類のチェックをする」「1現場だけ、副担当として入る」「夜の工程会議には出ない」といった形です。

主治医の意見書に、残業の制限や担当の範囲が書かれることもあります。会社と話すときは、口頭だけで終わらせず、決まったことをメールや書面で残しておくと、配属が変わったときにも話が戻りません。

同じ手引きでは、正式に復職する前に、通勤の練習や職場に少しだけ出てみる「試し出勤」のような制度も紹介しています。制度があるかどうかは会社によって違います。いきなり朝礼から夜の書類までの1日に戻るのが不安なら、こうした段階を踏めないかを人事に聞いてみてください。

復職か転職か、決める物差しは「条件が変わるか」

元の会社に戻るか、別の会社に移るか。決め手になるのは、体調を崩したきっかけが復帰後も残るかどうかです。工期末の土曜出勤が当たり前の現場に同じ立場で戻るなら、きっかけは残ったままです。

選び方向いている状況確かめること
同じ会社に復職(配置を変えて)工務・積算・安全など現場を持たない部署がある復帰後の担当、残業の上限、見直しの時期
同じ会社に復職(元の現場)きっかけが特定の時期・特定の人で、もう離れている同じ所長・同じ工期の詰まり方が続かないか
施工管理のまま別の会社へ会社の決め方(現場数・休みの扱い)がきっかけ1人あたりの現場数、昨年度の4週8休の実績
発注者側や維持管理へ工期末に追われる立場そのものがつらい現場に出る頻度、業務の契約期間

転職を考える場合も、動き始めるのは主治医が働ける状態と判断してからです。休職中に面接を詰め込むと、回復が遅れることがあります。行き先の比べ方は残業が少ない施工管理の職場を比べた記事と、発注者側の施工管理へ転職する道にまとめています。

体調が戻ってから、建設業に絞った転職相談で「現場数と休みの実績が分かる会社だけ」と条件を伝える方法もあります。

休職したことは転職で不利になる?

面接で休職について聞かれたら、事実を短く伝え、今は働ける状態であることと、次の職場で何を変えたいかを話せば足ります。病名や症状を細かく話す必要はありません。

たとえば「現場を3つ掛け持ちし、残業が長く続いた時期に体調を崩して休職しました。主治医の判断で今は働けます。1人あたりの現場数が決まっている会社で、工程管理の経験を活かしたいと考えています」という形です。理由と、次に求める条件がつながっていると、面接官も判断しやすくなります。

伝え方に迷うときは、言ってよい範囲を社労士や転職相談の担当者に確かめてから面接に進むと安心です。志望動機の組み立て方は施工管理の志望動機の書き方で例文を並べています。

移る会社を選ぶときは、年収や会社の規模より先に、体調を崩したきっかけが繰り返されないかを見てください。たとえば、現場の掛け持ちがきっかけなら「1人あたり何現場か」、休みの少なさなら「昨年度の4週8休の実績」、特定の上司との関係なら「配属先の現場の体制」です。求人票に書いていないことは、面接の最後の質問の時間に聞けます。聞きにくい場合は、転職相談の担当者を通して確かめてもらう方法もあります。

相談先も1つ持っておくと、1人で抱え込まずに済みます。厚生労働省の「こころの耳」には、働く人向けの電話・SNS・メールの相談窓口がまとまっています。

出典: 厚生労働省「こころの耳」 リンク

よくある質問

休職中に転職活動をしてもいいの?
法律で一律に禁じられているわけではありませんが、会社の就業規則に定めがあることがあり、傷病手当金は「働けない状態」が前提です。体調と手続きの両面があるので、主治医と、必要なら社労士に相談してから動いてください。
休職期間が終わっても治っていなかったらどうなる?
扱いは会社の就業規則で決まっています。期間の延長ができる会社もあれば、退職の扱いになる会社もあります。終わる日が近づく前に人事に確かめ、困ったときは総合労働相談コーナーや社労士に相談してください。
施工管理に戻るのが怖いのは、向いていないから?
そうとは限りません。怖さのもとが「現場の数」「特定の上司」「工期末の詰まり方」なら、会社や立場を変えると状況は変わります。どれが怖いのかを書き出すと、戻り方の選び方が見えてきます。
傷病手当金は退職した後ももらえるの?
退職前の加入期間などの条件を満たせば、退職後も受け取れる場合があります。条件は細かいので、加入している協会けんぽや健康保険組合に、退職する前に確かめてください。

次にやること

  1. 会社の連絡窓口を1人に決めてもらい、就業規則で休職期間が終わる日を確かめる
  2. 傷病手当金の申請方法を、加入している健康保険(協会けんぽか組合)に確かめる
  3. 主治医が働けると判断したら、体調を崩したきっかけを書き出し、復職と転職のどちらで消えるかを比べる

セコカン転職マップ編集部

施工管理の働き方と転職について、国土交通省・厚生労働省などの公的データと、求人票・試験団体の公表資料をもとに調べて書いています。数字には出典と年度を付けています。