転職の進め方

施工管理の志望動機の書き方|同業種へ移るときの例文と避けたい書き方

セコカン転職マップ編集部

施工管理の志望動機の書き方|同業種へ移るときの例文と避けたい書き方

この記事には広告(PR)が含まれることがあります。掲載している数字・内容は、広告の有無に関係なく公的データや公表資料をもとにしています。

施工管理が同じ職種のまま会社を移るときの志望動機は、「相手の会社の工事の特徴」「自分の経験がそこで使える点」「入社後にしたいこと」の3段で書きます。同じ仕事を続けるからこそ差が出るのは、「なぜこの会社か」を相手の工事の中身で言えるかどうかです。待遇だけを理由にした文は、どの会社にも出せる文に見えてしまいます。

この記事の例文は、自分の経歴に置き換えて使うための型です。○○の部分を自分の工事の数字で埋めてください。

志望動機は3段で組み立てる

採用する側が志望動機で確かめたいのは、「この人はうちの工事を分かって応募しているか」「入社してすぐ現場を任せられるか」の2点です。この2つに答える順番で書くと、短くても伝わります。

志望動機の3段 1段目 相手の工事の特徴 用途・規模・発注者・工法のどれに引かれたか 2段目 自分の経験が使える点 似た工事の数字(金額・工期・立場)を1件 3段目 入社後にしたいこと 担当したい工事と、取りたい資格・立場
図: 志望動機の3段の組み立て

1段目が書けないと、どの会社にも出せる文になります。逆に1段目がはっきりしていれば、2段目と3段目は自分の経歴から自然に出てくるはずです。長さは、職務経歴書や応募フォームなら200〜300字程度に収めると、読む側が一度で追えます。

面接では、この文を読み上げるのではなく、3段の順に話し言葉で言い直します。面接で聞かれる質問は施工管理の転職面接でよく聞かれる30問にまとめています。

1段目の材料は公開情報から集める

「相手の工事の特徴」は、会社が公開している情報から拾えます。次の表の上から順に見ると、材料がそろいます。

調べる先分かること志望動機での使い方
会社のホームページの施工実績得意な用途(住宅・病院・工場・道路など)、規模「○○の施工実績が多い点」と1段目に書く
採用ページ・社員紹介現場の体制、育成の方針入社後の働き方と結びつける
経営事項審査の結果(建設業情報管理センター)業種ごとの完成工事高、技術職員の数どの業種に力を入れている会社かを確かめる
自治体の入札結果受注した公共工事の種類土木・公共中心の会社の工事を具体的に挙げる
上場企業なら有価証券報告書・統合報告書事業の方針、働き方の取り組み会社の方針と自分の希望が重なる点を書く

出典: 一般財団法人 建設業情報管理センター(CIIC)「経審結果の公表」 リンク

会社説明会やカジュアル面談で聞いた話も材料になります。その場合は「説明会で、○○の現場では4週8休で工程を組んでいると伺い」のように、どこで聞いたかを添えて書くと、調べて応募したことが伝わるでしょう。聞いた内容は、面接で同じ人に会ったときに確かめ直せるよう、日付とともに控えておきます。

経営事項審査は、公共工事の入札に参加する建設会社が受ける審査です。結果が公表されているので、会社のホームページだけでは分からない、業種ごとの完成工事高の大きさを比べられます。建築一式と管工事の両方を持つ会社なら、どちらの比重が大きいかが見えます。

例文5つ(建築・土木・電気・管工事・発注者支援)

同じ施工管理で会社を移るときによくある5つの場面で、3段の型に当てはめた例文を示します。○○は自分の数字に置き換えてください。

例文1 建築:中堅ゼネコンから、医療・福祉施設に強い会社へ

貴社が病院や高齢者施設の新築・改修を数多く手がけ、施設を使いながらの改修工事の実績を公開されている点に引かれました。私は現職で、RC造○階建て・請負金額約○億円の病院の増築工事に工事主任として携わり、外来を止めずに工事を進めるための動線計画と、夜間の作業調整を担当しました。入社後は医療施設の改修の経験を生かし、○年以内に1級建築施工管理技士として現場を任される立場を目指します。

例文2 土木:民間中心の会社から、公共工事中心の会社へ

貴社が県や市の道路・河川工事を中心に受注され、週休2日を前提にした工程で現場を運営している点を志望の理由としています。私はこれまで○件の造成・道路工事で主任技術者を務め、直近は工期○か月・請負金額約○億円の道路改良工事を担当しました。公共工事の書類と検査の流れを一から身に付け、地域の工事を長く担える技術者になりたいと考えています。

例文3 設備:サブコンの電気工事から、設備更新に強い会社へ

貴社が事務所ビルや工場の電気設備の更新工事を主力とし、建物を使いながら行う工事の実績が多い点に関心を持ちました。私は現職で、受変電設備の更新を含む工事を○件担当し、停電の時間を限られた枠に収めるための手順書作りと、関係者との調整を受け持ちました。入社後は更新工事の段取りの経験を生かし、1級電気工事施工管理技士の資格を取って監理技術者として現場を持ちたいと考えています。

例文4 管工事:新築中心の会社から、空調・衛生の改修に強い会社へ

貴社が病院やホテルの空調・給排水設備の改修工事を多く手がけ、建物の営業を止めずに進める工事の実績を公開されている点に引かれました。私は現職で、事務所ビルの新築工事の空調・衛生設備を○件担当し、直近は延床面積約○平方メートルの現場で、建築側との納まりの調整と試運転の計画を受け持ちました。入社後は新築で身に付けた納まりと試運転の段取りを改修工事に生かし、改修の経験を積んで現場を任される立場を目指します。

例文5 発注者支援:元請の施工管理から、発注者支援の会社へ

貴社が国の事務所の工事監督支援業務を受託され、公共工事の品質を発注者の側から確かめる仕事をされている点に引かれました。私は元請として○年間、橋梁・道路の工事で現場代理人を務め、出来形管理や検査書類の作成を担当してきました。施工する側で培った出来形の確かめ方を、監督を支える側で生かしたいと考えています。

5つの例文を3段に分けると、次のようになります。どの例文も、1段目に相手の工事、2段目に自分の数字、3段目に資格か立場の目標を置いています。

例文1段目(相手の工事)2段目(自分の数字)3段目(入社後)
1 建築医療・福祉施設の改修の実績病院の増築、階数・金額・立場1級を取り現場を任される
2 土木県・市の道路・河川工事が中心主任技術者の件数、工期・金額地域の公共工事を長く担う
3 電気設備更新の工事が主力受変電設備の更新の件数1級を取り監理技術者になる
4 管工事空調・衛生の改修の実績新築の担当件数、延床面積改修の経験を積み現場を任される
5 発注者支援国の事務所の工事監督支援現場代理人の年数、工種施工側の経験を監督側で使う

例文の「週休2日を前提にした工程」のように、相手の働き方を書くときは、会社が公開している事実に限ってください。面接で「どこで知りましたか」と聞かれたときに、出どころを言えるようにしておきます。発注者側への移り方は発注者側の施工管理へ転職する道で比べています。

避けたい書き方5つ

読み手に伝わりにくい志望動機には、決まった形があります。左の書き方を見つけたら、右の形に直します。

避けたい書き方 直した形 残業が少ないから志望した 工事の特徴を先に書く 貴社の理念に共感した 理念が表れた工事を1件挙げる 何でも担当できます 得意な工事を1つに絞る 前の会社の不満を並べる 次にしたいことに言い換える どの会社にも出せる文 社名を消すと通じない文に
図: 避けたい書き方と直した形

5つのどれにも当てはまらない文でも、読み手が引っかかる箇所は似ています。書き上げたら、図の左の列の言い回しが入っていないかを1行ずつ確かめてください。

待遇だけを理由にしない

休みや残業を理由に会社を移るのは自然なことです。ただ、志望動機の中心にそれを置くと、「条件の良い会社が他にあれば移る人」と受け取られます。待遇の希望は面接の条件の場面で伝え、志望動機には工事の話を置きます。

「理念に共感」で終わらせない

理念に共感した、だけでは中身が伝わりません。理念がどの工事に表れているか、施工実績から1件挙げると、調べてから応募したことが伝わります。

社名を消すと通じない文にする

書き上げたら、社名を消して読み直してください。別の会社に出しても通じる文なら、1段目がまだ弱い状態です。相手の工事の用途や規模を1つ足すと、その会社にしか出せない文になります。

転職理由と志望動機をつなげる

面接では、転職理由のすぐ後に志望動機を聞かれることがあります。2つがばらばらだと、話の筋が通りません。転職理由で言った「次にしたいこと」が、志望動機の3段目と同じ方向を向くように組み立てます。

転職理由(事実)次にしたいこと志望動機の3段目
1人で3現場を担当し、品質の確認が追いつかなかった1つの現場に腰を据えたい貴社の体制で品質の確認を自分の強みにしたい
民間工事が中心で、土曜の稼働が続いていた公共工事の流れを身に付けたい地域の公共工事を長く担える技術者になりたい
新築ばかりで改修の経験がない改修工事の経験を積みたい改修の実績が多い貴社で経験の幅を広げたい

表の1行目のように、転職理由に残業や休みの事実が入っても問題ありません。それを「次にしたいこと」に言い換えてから志望動機へつなぐと、不満ではなく目的として伝わります。辞めたい理由の整理は施工管理を辞めたいと思ったらで、仕事と会社に分ける方法を書いています。

書いた志望動機を第三者に見てもらいたいときは、建設業界に絞った転職エージェントの書類添削を使う方法もあります。

よくある質問

志望動機は何文字くらいが適切ですか
応募フォームや職務経歴書に字数の指定があれば、それに合わせます。指定がなければ200〜300字程度に収めると、3段がそれぞれ1〜2文で書けます。
同じ志望動機を複数の会社に使ってもよいですか
2段目(自分の経験)は使い回せますが、1段目(相手の工事)は会社ごとに書き直してください。1段目が同じだと、どの会社にも出せる文になります。
年収を上げたいことは書いてもよいですか
志望動機に書くより、面接の条件の場面で、今の年収の内訳と希望額を数字で伝える方が話が進みます。比べ方は年収を転職で上げる手順にまとめています。

次にやること

  1. 応募したい会社の施工実績を開き、自分の経験に近い工事を1件選ぶ
  2. その工事と自分の工事の数字(金額・工期・立場)を並べ、3段の型で200〜300字に書く
  3. 社名を消して読み直し、別の会社にも通じる文なら1段目を書き直す

セコカン転職マップ編集部

施工管理の働き方と転職について、国土交通省・厚生労働省などの公的データと、求人票・試験団体の公表資料をもとに調べて書いています。数字には出典と年度を付けています。