施工管理を辞めたいと思ったら|辞める前に確かめる5つのことと続けながら移る方法

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施工管理を辞めたいと思ったら、まず「施工管理という仕事が嫌なのか」「今の会社の残業・休み・人間関係が嫌なのか」を分けてください。後者なら、同じ施工管理のまま会社を移る道があります。2024年4月からは建設業にも時間外労働の上限規制がかかり、原則は月45時間・年360時間です(厚生労働省)。
体や心が限界に近いときは、転職の準備より先に休むことを優先してください。相談先はこの記事の後半に載せています。
辞めたい理由を「仕事」と「会社」に分ける
工期末に土曜も現場、朝礼前に安全書類、夜は施工計画書。こうした毎日が続くと、何が嫌なのかがまとめて一つに見えてきます。紙に書き出して、仕事そのものに付いてくるものと、会社の決め方で変わるものに分けると、次の手が見えます。
右の列に当てはまる項目が多いなら、仕事を変えなくても状況は変えられます。1人で3現場を持つ会社もあれば、1現場に複数の担当を置く会社もあります。休みの扱いも、現場を閉める会社と、担当者が交代で休む会社とでは別物です。
左の列が苦しい場合でも、すぐに異業種へ行く必要はありません。発注者側や維持管理のように、施工管理の知識を使いながら立場を変える道があります。行き先の比べ方は残業が少ない施工管理の職場を比べた記事にまとめています。
辞める前に確かめる5つのこと
勢いで退職届を出す前に、次の5つを確かめておくと、移った後に困ることが減ります。どれも1日あれば調べられます。
1. 残業時間の記録
未払いの残業代がある、上限規制を超えて働かされた、と後から相談するときに、記録がないと話が進みません。勤怠の写し、日報、現場の入退場の記録など、会社を離れると見られなくなるものは在職中に手元へ残してください。社外秘の書類まで持ち出すと別の問題になるので、自分の勤務時間が分かるものに限ります。
2. 有給休暇の残り
年10日以上の有給休暇が付く人には、会社が年5日を取らせる義務があります(労働基準法第39条、2019年4月から)。残りの日数を確かめておくと、退職日までの引き継ぎと休みの配分を組めます。
3. 就業規則の退職の申し出
期間の定めのない雇用(いわゆる正社員)は、民法第627条により、退職を申し入れた日から2週間がたつと雇用が終わります。ただ、就業規則に「1か月前までに申し出る」などの決まりを置いている会社もあります。どちらが優先されるか迷う場合は、労働基準監督署や社労士に確認してください。現場の引き継ぎを考えると、就業規則の期限に合わせる方が話はこじれにくくなります。
4. 受検の予定
施工管理技士の第二次検定を控えている人は、試験日と退職・入社の時期が重ならないように組みます。令和7年度は、1級建築と1級電気工事の第二次検定が2025年10月19日、1級土木が10月5日、1級管工事が12月7日でした。受検の申し込みで実務経験の証明が要る場合、誰に証明してもらうかも先に決めておきます。
5. 生活費
在職中に次の会社を決めれば、収入が途切れる期間はほぼありません。先に辞める場合は、家賃やローン、国民健康保険・年金の切り替え後の保険料まで含めて、何か月分の生活費があるかを計算してください。
出典: e-Gov法令検索「民法」第627条 リンク / 「労働基準法」第39条 リンク / 一般財団法人 建設業振興基金 1級建築 令和7年度(PDF)・1級電気工事 令和7年度(PDF) / 一般財団法人 全国建設研修センター 1級土木 令和7年度第二次(PDF)・1級管工事 令和7年度第二次(PDF)
今の残業が上限規制の中かを確かめる
「残業が多すぎる」と感じたら、まず数字で見ます。2024年4月から建設事業にも上限規制が適用され、特別な事情があって労使で合意した場合でも、超えてはいけない線が決まっています。
| 決まり | 上限 | 休日労働を含むか |
|---|---|---|
| 原則 | 月45時間・年360時間 | 含まない |
| 特別条項でも年間 | 年720時間以内 | 含まない |
| 特別条項でも単月 | 100時間未満 | 含む |
| 特別条項でも2〜6か月の平均 | 80時間以内 | 含む |
| 月45時間を超えられる月 | 年6か月まで | ― |
出典: 厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」 リンク
災害時の復旧・復興の事業には、単月100時間未満と2〜6か月平均80時間以内の規制がかからない例外があります。自分の現場が当たるかどうかを含め、超えているかもしれないと思ったら、労働基準監督署や社労士に確認してください。数え方は月100時間の残業の数え方の記事で図にしています。
上限の中で、実際に何時間まで残業できるかは、会社と労働者の代表が結ぶ36協定(時間外・休日労働に関する協定)で決まります。労働基準法は、こうした協定を職場で見られるようにしておくことを会社に求めています(第106条)。自分の会社の協定で月何時間・年何時間になっているかを一度見ておくと、今の残業が協定の中かどうかを自分で確かめられます。
上限を超えていないのにきつい、という場合もあります。月45時間以内でも、1人で抱える現場や書類が多ければ休まりません。規制の中かどうかと、続けられるかどうかは別の問いとして考えてください。
続けながら移る手順
在職中に次の会社を決めてから辞める方法は、収入が途切れず、比べる時間も取れます。現場を持ちながら進めるので、工程表と照らし合わせて段取りを組むのがこつです。
準備では、これまでの工事を1件ずつ、発注者・工種・請負金額・工期・自分の立場で書き出します。面接で聞かれる中身はほぼここから出ます。質問の例は施工管理の転職面接でよく聞かれる30問に並べました。
面接は、オンラインや平日夜に応じる会社もあります。工程会議や検査の日を避けて候補日を出せば、今の現場に穴を開けずに進められます。
退職の伝え方
退職の申し出は、まず直属の上司に口頭で伝え、そのうえで就業規則に決められた書面を出すのが順番です。理由は「別の会社で働くことにした」で足ります。今の会社の不満を細かく並べる必要はありません。退職日は、今の現場の区切りと、次の会社の入社日の両方から決めます。
引き止めで「今の現場が終わるまで」と言われたら、いつ終わるのかを工程表で確かめてください。竣工が半年先なら、引き継ぎの範囲を決めて後任に渡す方が、自分にも現場にも負担が少なく済みます。
引き継ぎでは、施工計画書、工程表、協力会社の連絡先、発注者との協議の記録を、後任が見て分かる形で残します。最後まで丁寧に引き継ぐと、同じ業界のどこかでまた顔を合わせたときにも困りません。
同じ施工管理のまま移れる行き先
「会社の決め方で変わるもの」がつらい人が候補にしやすい行き先を、何が変わるかで並べます。
| 行き先 | 変わりやすいこと | 面接で確かめること |
|---|---|---|
| 同じ分野の別の会社(休みの制度が違う会社) | 休日の扱い、1人あたりの現場数 | 昨年度の4週8休の実績、現場の人数 |
| 発注者側(発注者支援・CM会社・デベロッパー) | 工期末に追われる立場から、確かめる立場へ | 配属先、業務の契約期間、現場に出る頻度 |
| サブコン・設備会社 | 担当する工種が絞られる | 元請の工程に合わせた残業の出方 |
| 公共工事中心の会社(土木) | 週休2日の取り決めが入りやすい | 直近の受注の公共と民間の割合 |
どの行き先でも、「変わりやすいこと」が自分の辞めたい理由と重なっているかを見てください。1人で抱える現場の数がつらいなら、休日の日数より人員の体制を先に聞く方が、移った後のずれが小さくなります。発注者側の違いは発注者側の施工管理へ転職する道で比べています。
求人を探すときは、建設業界に絞った転職エージェントに「休みと残業の数字が分かる求人だけ」と条件を伝える方法もあります。
体や心がもたないときの相談先
眠れない日が続く、朝になると体が動かない、といった状態なら、転職活動より先に医療機関にかかってください。休職の制度があるかは就業規則で確かめられます。
| 困っていること | 相談先 | 相談の方法 |
|---|---|---|
| 気分の落ち込み、眠れない、職場のストレス | 厚生労働省「こころの耳」 | 電話・SNS・メールの相談窓口 |
| 残業代の未払い、退職の申し出の扱い、パワハラ | 都道府県労働局などの「総合労働相談コーナー」 | 無料・予約不要 |
| 体の不調 | かかりつけ医、または心療内科・精神科 | 受診して、休む必要があるかを相談する |
出典: 厚生労働省「こころの耳」 リンク / 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」 リンク
休んでいる間は、次の会社のことを決めなくて大丈夫です。回復してから、この記事の5つの確認と手順に戻れば間に合います。
よくある質問
- 工期の途中で辞めるのは問題になりますか
- 法律上は、期間の定めのない雇用なら申し入れから2週間で退職できます。ただ、現場の区切り(竣工、工程の切れ目)に合わせて申し出ると、引き継ぎが進めやすくなります。会社とのやり取りで困ったときの相談先は、総合労働相談コーナーです。
- 辞めたいと上司に言ったら引き止められました
- 引き止めに応じるかどうかは自分で決めてよいことです。条件を変えると言われた場合は、何がいつから変わるのかを書面でもらってから判断してください。口頭の約束だけで残ると、元の働き方に戻ることがあります。
- 施工管理の経験年数が短くても転職できますか
- 経験年数だけで決まるわけではありません。担当した工事の種類と規模、資格の有無で見られます。2級を取ってから動く、受検に必要な実務経験を積んでから動く、という順にすると選べる求人が増えます。
次にやること
- 辞めたい理由を紙に書き、「仕事そのもの」と「会社の決め方」の2列に分ける
- 勤怠の記録、有給の残り、就業規則の退職の決まりを今週中に確かめる
- これまでの工事を1件ずつ書き出し、在職中のまま求人を見始める
セコカン転職マップ編集部
施工管理の働き方と転職について、国土交通省・厚生労働省などの公的データと、求人票・試験団体の公表資料をもとに調べて書いています。数字には出典と年度を付けています。



