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残業が少ない施工管理の職場はどこ?発注者側・設備・維持管理を比べた

セコカン転職マップ編集部

残業が少ない施工管理の職場はどこ?発注者側・設備・維持管理を比べた

この記事には広告(PR)が含まれることがあります。掲載している数字・内容は、広告の有無に関係なく公的データや公表資料をもとにしています。

残業が少ない施工管理の職場は、職種の名前ではなく「工期末の負担を誰が持つか」と「夜間・緊急の出動がどう決まっているか」で探すのが近道です。厚生労働省のjob tagでは、月の労働時間が建築施工管理技術者166時間、土木施工管理技術者162時間、ビル施設管理163時間で、平均で見ると差は小さいからです。

平均が近くても、残業が出る時期と理由は行き先ごとに違います。ここでは発注者側・設備(電気・管工事)・維持管理の3つを同じ物差しで比べ、同じ行き先の中で会社を選ぶ方法まで書きます。

職種の平均で比べると、労働時間の差は小さい

job tagは、厚生労働省が運営する職業情報のサイトです。職業ごとに、賃金構造基本統計調査を加工した労働時間と年収を載せています。施工管理に近い3つの職業を並べると次のようになります。

職業(job tagの分類)月の労働時間年収平均年齢
建築施工管理技術者166時間679.1万円43.4歳
土木施工管理技術者162時間625万円46歳
ビル施設管理163時間452.3万円47.3歳

出典: 厚生労働省 job tag「建築施工管理技術者」 リンク/「土木施工管理技術者」 リンク/「ビル施設管理」 リンク(いずれも令和7年賃金構造基本統計調査を加工した値)

3つの差は月4時間ほどです。この数字は統計上の平均で、職業の中で働き方の違う人がまとめて入っています。ビル施設管理は年収が200万円以上低いので、「残業が少ないから行き先を変える」と決める前に、年収の差も同じ表で見ておく必要があります。

job tagの数字は「その職業なら残業が少ない」とは言っていません。どの職業でも、会社や現場の選び方で残業の量が変わる、と読むのが正確です。施工管理の残業時間を統計ごとに比べた話は施工管理の残業時間は月何時間かにまとめています。

同じjob tagには、ハローワークの求人の数字も載っています。令和7年度の有効求人倍率は、建築施工管理技術者が8.62倍、土木施工管理技術者が15.74倍でした。求職者1人に対して求人が8件以上ある状態なので、経験者が会社を選びやすい状況です。残業の少なさを条件にして求人をしぼっても、候補が残りやすい職種です。

残業が増える場面は、だいたい決まっている

施工管理の残業は1年中同じではありません。工事の流れの中で、増える場面がある程度決まっています。下の図は、建築の新築工事を例にした一般的な流れです。

残業が増えやすい場面(建築の新築の例) 着工前 躯体 仕上げ 竣工前 施工計画書 安全書類 工程表の作成 天候の遅れを 土曜で取り戻す 打設の立ち会い 職種が重なり 調整が増える 施工図の確認 各種検査・是正 設備の試運転調整 竣工書類の作成 前の工程の遅れは、竣工前に寄っていく
図: 遅れは後ろへ寄るため、竣工前と後工程の担当に負担が集まりやすい

ポイントは、遅れが後ろへ寄っていくことです。躯体が雨で1週間遅れても、竣工日は動かないことがほとんどです。すると仕上げと設備の期間が縮み、竣工前に検査・是正・試運転・書類が重なります。

もう一つの山は書類です。日建協(ゼネコン職員の労働組合)のアンケートを報じた労働新聞の記事では、残業の理由で最も多いのは書類とされていました(2022年5月30日掲載、2021年11月分の集計)。施工計画書、安全書類、工事写真の整理は、現場が動いている昼間には進みにくく、職人が帰った後に回りがちです。書類を事務の担当者が分けて持つ会社かどうかも、残業の量を左右します。

残業の少ない職場を探すときは、この「後ろに寄った負担」を誰が持つ仕組みになっているかを見ます。発注者側・設備・維持管理は、ここが元請の建築や土木とそれぞれ違います。

発注者側・設備・維持管理で、残業の出方はこう違う

3つの行き先を、工期末の負担・夜間や休日の対応・書類の量で比べると次の図のようになります。どれも「残業がない」わけではなく、残業が出る理由が違います。

発注者側 設備(電気・管) 維持管理 工期末の負担 作業の取り戻しは 施工者側が担う 夜間・休日 検査・立ち会いで 出ることがある 忙しくなる理由 年度末の検査と 発注・協議の書類 工期末の負担 後工程なので 竣工前に集まる 夜間・休日 改修は営業時間外 の作業が出やすい 忙しくなる理由 受電・試運転・ 消防などの検査 工期末の負担 計画工事が中心で 読みやすい 夜間・休日 夜間工事・緊急の 出動当番がある 忙しくなる理由 災害・故障・ 降雪などの対応
図: 3つとも残業はあるが、出る時期と理由が違う

発注者側:作業の取り戻しはないが、年度末と書類で忙しくなる

発注者側の施工管理は、工事を発注した側として、契約どおりに進んでいるかを確かめる立場です。工程が遅れたとき、土曜に職人を手配して取り戻すのは施工者の仕事なので、その分の残業は基本的に発注者側には来ません。

代わりに、発注の準備、設計変更の協議、検査の書類が仕事の中心になります。公共工事は工期末が年度末に集まりやすく、国交省が「施工時期の平準化」を進めているのもそのためです。役所や発注者支援の仕事では、2〜3月に検査と次年度の発注準備が重なることがあります。仕事の中身は発注者側の施工管理の仕事と年収・残業で詳しく比べています。

設備(電気・管工事):竣工前に負担が集まりやすい

設備の施工管理は、建物の工事の後半に作業が集まります。受電、空調や給排水の試運転調整、消防検査などは、建築の仕上げがある程度進まないとできません。前の工程の遅れを最後に受けるのが設備、という構図になりやすい仕事です。

一方で、同じ設備でも新築ではなく改修・保守を中心にする部署や会社は、工期の詰まり方が違います。営業中の建物の改修では夜間や休日の作業が出ることもあるので、「改修だから楽」とも言えません。ゼネコンとサブコンの働き方の違いはゼネコンとサブコンの施工管理の違いで比べています。

維持管理:計画は読みやすいが、当番と緊急対応がある

道路・河川・建物の維持管理は、年間の点検や補修の計画に沿って進む仕事が多く、新築のような工期末の山は小さくなります。そのかわり、交通規制が必要な道路の補修は夜間に行うことがあり、災害や大雪、設備の故障では時間外の出動が入ります。

維持管理の求人を見るときは、夜間工事の頻度、緊急対応の当番の回数、当番手当の有無を確かめます。ここが決まっている会社は、残業の量を事前に読めます。

同じ行き先でも、会社で差が出る

行き先を決めても、残業の少なさは最後は会社で決まります。そこで使えるのが、会社や業界団体が出している数字です。たとえば日本建設業連合会(日建連)の会員企業の調査では、4週8閉所以上の作業所は土木75.8%、建築57.4%でした。同じ大手の中でも、工種でこれだけ差があります。

確かめる数字どこで見られるか見方
4週8閉所の割合会社のサイト・統合報告書/日建連のフォローアップ報告業界の数字(土木75.8%・建築57.4%)と比べる
月の平均残業時間厚労省「しょくばらぼ」/会社のサイト全社平均か、施工管理だけの数字かを確かめる
有給休暇の取得率しょくばらぼ/会社のサイト建設業の平均60.7%より上か下か
ユースエール認定厚労省「若者雇用促進総合サイト」中小企業(300人以下)向け。月平均の所定外労働20時間以下などが条件

出典: 日本建設業連合会「週休二日実現行動計画 2025年度上半期フォローアップ報告書」(2025年12月、会員141社のうち回答95社) リンク/厚生労働省「令和7年就労条件総合調査 結果の概況」 リンク/厚生労働省「ユースエール認定企業」リーフレット リンク

日建連の数字は大手・準大手が中心の調査です。地場の会社や設備会社が同じ物差しの数字を出していない場合は、求人票の休日欄(完全週休2日制かどうか)と、面接で聞く配属先の閉所日数で代わりに確かめます。

月の平均残業時間を載せている会社もありますが、数字の範囲は会社ごとに違います。事務職も含めた全社平均なのか、現場の施工管理だけなのかで、同じ会社でも数字は大きく変わります。公表データの読み方は施工管理のホワイト企業の見分け方で5つの物差しにまとめました。

求人と面接で、残業の少なさを確かめる手順

行き先の候補が決まったら、次の順で確かめると、入社してから「思っていたのと違う」となりにくくなります。

1. 残業が出る理由を行き先ごとに決めておく 工期末か、年度末か、夜間・緊急の当番か 2. 求人票の固定残業の時間数と休日欄を見る 固定残業が多いと、長く働く前提の給与が多い 3. 公表データで会社の位置を確かめる 閉所の割合・有給取得率を業界の数字と比べる 4. 面接で配属先の一番忙しい月を聞く 平均ではなく山の高さと、その月の休み方を聞く
図: 行き先 → 求人票 → 公表データ → 面接、の順に残業の出方を確かめる

4の質問が一番効きます。平均の残業時間はどの会社も低めに見えますが、施工管理がつらいのは山の月です。「配属先で一番忙しい月は何時間くらいですか」「その月の休日は何日でしたか」と聞くと、山の高さが分かります。

聞くときは、次のように時期と数字を指定すると、答えがぼやけにくくなります。

  • 「配属先で一番忙しい月は何月で、その月の残業は何時間くらいでしたか」
  • 「その月の休日は何日取れましたか。振替や代休は後で取れましたか」
  • 「現場の施工管理職だけの、月の平均残業時間は分かりますか」
  • 「夜間工事や緊急対応の当番は、月に何回くらい回ってきますか」

発注者側なら「年度末の3月」、設備なら「竣工前の1か月」、維持管理なら「緊急対応の当番の回数」と、行き先ごとに聞く場面を変えると答えが具体的になります。

行き先の求人をまとめて比べたいときは、建設業界の求人を扱う転職エージェントに、残業時間と閉所日数を条件として先に伝えておく方法があります。

よくある質問

残業がほぼない施工管理の仕事はありますか。
job tagの月の労働時間は、建築・土木の施工管理とビル施設管理で4時間ほどしか違いません。職種だけで「残業なし」を選ぶのは難しく、会社や部署の実績で選ぶことになります。
発注者側に移れば残業は減りますか。
工程の取り戻しのための土曜出勤は施工者側の仕事なので、その分は減ります。ただし年度末の検査や発注準備、設計変更の協議で忙しくなる時期があります。移る前に、年度末の働き方を面接で聞いてください。
設備の施工管理は建築より残業が多いですか。
設備だけを分けた公的な残業の統計は見当たりません。設備は竣工前に受電や試運転が集まるため、その時期に忙しくなりやすい仕事です。改修・保守が中心の部署は工期の詰まり方が違うので、部署ごとに確かめるのが確実です。
年収を下げずに残業を減らせますか。
job tagではビル施設管理の年収が建築施工管理より200万円以上低いので、行き先によっては年収が下がります。同じ施工管理のまま、閉所や残業の実績が良い会社へ移るほうが、年収を保ちやすい選び方です。

次にやること

  1. 今の職場で残業が一番多い月と、その理由(工期末・書類・夜間)を書き出す
  2. 発注者側・設備・維持管理のうち、その理由が起きにくい行き先を1つに絞る
  3. 候補の会社の閉所の割合と有給取得率を調べ、日建連の数字(土木75.8%・建築57.4%)や建設業の平均60.7%と比べる

セコカン転職マップ編集部

施工管理の働き方と転職について、国土交通省・厚生労働省などの公的データと、求人票・試験団体の公表資料をもとに調べて書いています。数字には出典と年度を付けています。