転職の進め方

40代の施工管理の転職|評価される経験と、年齢で不利にならない進め方

セコカン転職マップ編集部

40代の施工管理の転職|評価される経験と、年齢で不利にならない進め方

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40代の施工管理の転職は、年齢そのものより「現場を任せられる経験があるか」で決まります。建設業の就業者は55歳以上が36.6%、29歳以下が11.9%です(総務省「労働力調査」をもとに国土交通省が作成、令和7年)。job tagでの平均年齢も、建築施工管理技術者43.4歳、土木施工管理技術者46歳です。40代は、この職業のちょうど中心にいる年代です。

ここでは、40代が評価される経験の中身と、応募から内定までに年齢で損をしない進め方を並べます。

数字で見る40代の施工管理の位置

建設業で働く人の年齢の分かれ方を、国土交通省の資料から図にしました。30〜54歳の割合は、55歳以上と29歳以下を100%から引いた計算値です。

建設業で働く人の年齢の割合 令和7年平均・総務省「労働力調査」より 29歳以下 11.9% 30〜54歳 51.5%(計算値) 55歳以上 36.6% 30〜54歳は100%から2つを引いた値
図: 建設業就業者の年齢の割合(令和7年)

出典: 国土交通省「建設業を取り巻く状況等について」(参考資料1。元データは総務省「労働力調査」暦年平均) リンク(PDF)

国土交通省は、55歳以上が4割近くを占めるこの状況を「次世代への技術承継が大きな課題」と書いています。同じ資料では、建設業の技術者は41万人(令和7年)。会社からすると、所長や工事主任として現場を回せる40代は、若手を育てる役も含めて欲しい年代にあたります。

職業(job tag)平均年齢賃金(年収)有効求人倍率(令和7年度)
建築施工管理技術者43.4歳679.1万円8.62倍
土木施工管理技術者46歳625万円15.74倍

出典: 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)(賃金・年齢は令和7年賃金構造基本統計調査を加工、求人倍率はハローワーク求人統計) 建築 / 土木(2026年10月26日確認)

有効求人倍率はハローワークの求人だけで数えた値ですが、どちらも求職者より求人の方がはるかに多い状態です。年収の比べ方は施工管理技士の年収をjob tagで比べた記事に詳しく書いています。

求人の年齢欄は法律でどう決まっているか

求人を見て「40代は対象外かもしれない」と感じても、応募をやめる前に年齢欄の決まりを知っておいてください。2007年10月から、会社が労働者を募集・採用するときに年齢を制限することは、原則として禁止されています(当時の雇用対策法、今の労働施策総合推進法)。

例外として、定年の年齢を上限にして、期間の定めのない雇用で募集する場合などは、年齢の上限を書けることになっています。求人票に「○歳以下」とあるときは、その理由が書かれているかを見てください。

出典: 厚生労働省「雇用対策法及び地域雇用開発促進法の改正について」(平成19年10月1日施行) リンク

求人票の年齢欄のここを見る 求人票の例(記入例) 年齢:不問 年齢:59歳以下(定年60歳) 応募資格:1級施工管理技士 歓迎:所長経験のある方 原則はこの書き方 年齢で応募をあきらめない 上限があるなら理由を見る 定年を上限にした例外など 年齢より資格の条件が先 ここが合えば応募できる 40代が前に出せる経験 職務経歴の先頭に書く
図: 求人票の年齢欄と応募資格欄で見るところ

求人票では、年齢欄よりも応募資格と歓迎条件の欄の方が、40代にとって大事な情報を含んでいます。「1級施工管理技士」「所長経験」のように経験を条件にしている求人は、年齢より経験の中身を見ている求人だと読み取れます。

法律で年齢の制限が禁じられていても、選考の中で年齢が気にされることはあり得るでしょう。だからこそ、書類と面接では「年齢に見合った経験」を数字で出すことが効きます。次の章で中身を整理します。

40代が評価される経験

40代の応募で見られるのは、若手と同じ「担当した工事の数」ではなく、「どの立場で、どこまで責任を持ったか」です。書類と面接で出したい経験を表にしました。

経験書き方の例なぜ見られるか
監理技術者・主任技術者監理技術者として○件、請負金額○億円規模配置できる技術者の数が受注できる工事を左右する
現場代理人・所長所長として社員○人、協力会社○社を管理現場を1つ任せられるかの判断になる
原価管理実行予算の作成から精算まで担当利益に直結する
発注者・設計者との協議設計変更の協議と追加の契約変更を担当トラブルを収める力の裏づけになる
若手の育成入社○年目までの社員○人を現場で指導国交省も技術承継を業界の課題に挙げている

表の最後の行は、上の年齢の図とつながります。55歳以上が多い業界で、所長経験のある人が若手を育てる役まで担えると、採用する側の悩みに直接答えられます。

職務経歴書の冒頭に置く要約の型

経験が長いほど、職務経歴書の最初の3〜4行で全体を伝える要約が効きます。次の型の○○を自分の数字に置き換えて使ってください。

建築施工管理として○年、RC造・S造の事務所ビルと共同住宅の新築を中心に○件を担当。直近○年は所長として請負金額○億円規模の現場を管理し、社員○人・協力会社○社をまとめた。1級建築施工管理技士、監理技術者資格者証を保有。若手社員○人の現場での指導も担当。

要約の中で、年数・件数・金額・人数の4つが数字で入っていれば、面接官は後の詳細を読む前に経験の大きさをつかめます。

1級の資格があるかで応募できる幅が変わる

1級施工管理技士を持っていれば、監理技術者として大きな工事に配置できます。40代で2級までの人は、転職と並行して1級を取る計画を伝えるだけでも評価の材料になります。令和6年度から受検資格が変わり、1級の第一次検定は19歳以上なら受けられるようになりました(全国建設研修センター)。資格と年収の関係は1級施工管理技士の年収と資格手当にまとめています。

出典: 一般財団法人 全国建設研修センター「施工管理技術検定の受検資格の見直し」 リンク

年齢で不利にならない進め方

40代の転職は、家族や住まい、ローンの事情もからみます。勢いで動くより、順番を決めて進める方が、条件で妥協せずに済みます。

40代の転職の進め方 1 譲れない条件を家族と決める 転勤の範囲、年収の下限、休みの日数 2 立場と責任で職務経歴を書く 工事の数より、所長・監理技術者の経験 3 在職中に応募し、並べて比べる 内定を2社以上そろえると条件を比べられる 4 役職と年収を書面で確かめる 入社時の役職、評価の時期、退職金の扱い
図: 40代の施工管理の転職の進め方

1. 譲れない条件を先に決める

転勤の範囲、年収の下限、休みの日数の3つは、家族と話して先に決めます。40代の転職で迷いやすいのは、年収は上がるが単身赴任がある、のように条件が引き換えになる場面です。先に線を引いておくと、内定が出てからぶれません。

2. 職務経歴は立場と責任で書く

20年近い経験をすべて並べると、読む側は何が強みか分かりません。直近10年ほどの代表的な工事3〜4件に絞り、それぞれで所長・監理技術者・工事主任のどの立場だったかを先頭に書きます。

職務経歴書の最後には、次の会社で受け持てる役割を1行で書き添えます。「所長として現場を1つ任せていただければ、工程と原価の管理を担えます」のように、相手が配置を想像できる書き方にします。

3. 在職中に応募して並べて比べる

40代は生活費の負担も大きいので、在職中に動くのが基本です。内定を複数そろえられれば、年収や役職を比べたうえで選べます。在職中の進め方は施工管理を辞めたいと思ったらの後半で図にしています。

面接で年齢の話が出たとき

面接で「年下の上司の下で働けますか」「体力面は大丈夫ですか」と聞かれることがあります。こうした質問には、できるかできないかだけでなく、具体的な事実で答えるのが近道です。年下の所長の下で工事主任を務めた経験があればそれを、なければ若手と組んだ現場の役割分担を話します。

4. 役職と年収は書面で確かめる

面接で「所長として迎えたい」と言われても、入社時の役職が書面に入っていないことがあります。労働条件通知書で、役職、基本給と手当の内訳、評価と昇給の時期を確かめてください。前の会社で積み上げた退職金の扱いも、移る前に計算しておきます。

40代で選びやすい行き先

40代の経験が生きやすい行き先を、求められる役割で並べました。

行き先求められやすい役割確かめること
同じ分野の中堅・地場の建設会社所長、工事課長、若手の指導役入社時の役職と、持つ現場の数
発注者支援・CM会社公共工事の監督補助、発注者側での確認配属先の事務所と業務の契約期間
デベロッパー・事業会社の施設部門発注者として工事を管理する役求める経験年数と、建物の用途
設備会社・サブコン(電気・管)設備の監理技術者、更新工事の責任者1級の資格を条件にしているか

設備の分野で2級までの人は、1級の取りやすさも計画に入れておくと役立ちます。令和7年度の第二次検定の合格率は、1級電気工事が69.6%、1級管工事が63.3%でした。第一次検定は、1級電気工事が41.5%(令和7年度)、1級管工事が39.6%(令和8年度)です。

出典: 一般財団法人 建設業振興基金 1級電気工事 令和7年度(PDF) / 一般財団法人 全国建設研修センター 1級管工事 令和7年度第二次(PDF)・1級管工事 令和8年度第一次(PDF)

発注者側の行き先の違いは発注者側の施工管理へ転職する道で比べています。40代で発注者側へ移る場合は、施工する側で積んだ経験が、品質や工程を確かめる側でどう使えるかを具体的に話せるかが鍵です。

年齢を理由に応募をためらう求人があるときは、建設業界に絞った転職エージェントに、その会社が経験者に何を求めているかを確かめてもらう方法もあります。

よくある質問

40代で年収が下がる転職になることはありますか
あります。特に、大手から中堅へ、元請から発注者側へ移る場合は、残業代が減ることで年収が下がることがあります。基本給・手当・賞与・残業代に分けて、今と同じ項目で比べてください。
2級しか持っていない40代でも転職できますか
2級の範囲で配置できる工事を扱う会社は応募の対象になります。1級の受検の予定を伝える、所長や主任技術者としての経験を数字で示す、の2つで評価の材料を足せます。
40代後半でも同じ進め方でよいですか
進め方は同じです。年齢が上がるほど、即戦力としての立場(所長、監理技術者)と、若手の育成の経験を前に出すと、採用する側の求めと合いやすくなります。

次にやること

  1. 転勤の範囲・年収の下限・休みの日数の3つを家族と決めて書き出す
  2. 直近10年ほどの代表的な工事を3〜4件選び、立場と責任を先頭にした職務経歴を作る
  3. 気になる求人の年齢欄と応募資格を読み、年齢の上限があればその理由が書かれているかを確かめる

セコカン転職マップ編集部

施工管理の働き方と転職について、国土交通省・厚生労働省などの公的データと、求人票・試験団体の公表資料をもとに調べて書いています。数字には出典と年度を付けています。