施工管理技士の年収は?job tagの数字を建築・土木・電気・管工事で比べた

この記事には広告(PR)が含まれることがあります。掲載している数字・内容は、広告の有無に関係なく公的データや公表資料をもとにしています。
厚生労働省のjob tag(職業情報提供サイト)で、建築施工管理技術者の年収は全国679.1万円(平均43.4歳)です。土木施工管理技術者は625万円(平均46歳)でした。どちらも令和7年賃金構造基本統計調査を加工した数字です。管工事施工管理技士は建築施工管理技術者の職業に含まれていて、電気工事施工管理だけの年収ページは、今回確かめた範囲では見つかりませんでした。
job tagの数字を建築と土木で並べる
job tagには、年収のほかに年齢・労働時間・求人の月給・有効求人倍率が載っています。並べると、建築と土木の違いが年収だけではないことが分かります。
| 項目 | 建築施工管理技術者 | 土木施工管理技術者 |
|---|---|---|
| 年収(全国) | 679.1万円 | 625万円 |
| 平均年齢 | 43.4歳 | 46歳 |
| 労働時間(月) | 166時間 | 162時間 |
| 1時間あたりの賃金(一般労働者) | 3,092円 | 2,993円 |
| ハローワークの求人賃金(月額、令和7年度) | 34.2万円 | 35.2万円 |
| 有効求人倍率(令和7年度) | 8.62倍 | 15.74倍 |
| 就業者数(令和2年国勢調査) | 242,580人 | 263,870人 |
出典: 厚生労働省 job tag「建築施工管理技術者」 リンク・「土木施工管理技術者」 リンク(年収・年齢・労働時間・時間あたり賃金は令和7年賃金構造基本統計調査を加工)
年収は建築の方が54.1万円高い一方、ハローワークに出ている求人の月給は土木の方が1万円高くなっています。有効求人倍率は土木が15.74倍で、求職者1人に対して15件以上の求人がある計算です。土木の人手不足が、求人の条件に表れていると読めます。
年齢は土木の方が2.6歳高く、就業者数は土木が約26万人、建築が約24万人です(令和2年国勢調査)。建設業の就業者は55歳以上が36.6%を占めるという国土交通省のまとめもあり、経験者の層が厚い一方で、次の世代の担い手が足りない構図は建築・土木に共通しています。
出典: 国土交通省「建設業を取り巻く状況等について」(総務省「労働力調査」、令和7年平均) リンク
1時間あたりの賃金は、job tagの注記で残業代と賞与を含む数字とされています。労働時間で割った値なので、長く働いて年収が高い人と、短い時間で同じ年収の人の差が見えます。
労働時間は月166時間(建築)と162時間(土木)で、ほぼ同じです。それでも年収に約54万円の差があるので、差の理由は労働時間ではなく、賞与や会社の規模など別の所にあると読めます。分野を変えて移る人は少ないので、比べる相手は同じ分野の中で、会社ごとの条件にする方が実用的です。
建設業全体・全業種とも比べる
施工管理の年収が建設業の中でどのくらいの位置かは、国税庁の業種別の平均給与と比べると分かります。
出典: 厚生労働省 job tag(令和7年賃金構造基本統計調査を加工)/国税庁「令和7年分民間給与実態統計調査結果について」(令和8年9月) リンク
国税庁の数字は、建設業で1年を通じて勤務した人全体(事務・営業・職人を含む)の平均給与で590.3万円です。施工管理の2職業はこれより高く、全業種の平均486.6万円と比べると、建築で約190万円、土木で約140万円上回っています。
電気と管工事の年収はどう見るか
job tagの「建築施工管理技術者」のページには、職業の別名として管工事施工管理技士、給排水設備工事施工管理者、空調衛生設備施工管理技術者が並んでいます。管工事の施工管理は、679.1万円の中に含まれている扱いです。
電気工事施工管理は、job tagで単独の年収を確かめられませんでした。電気の施工管理の年収を知りたいときは、次の2つで見当をつけます。
- 電気設備の求人票で、月給・賞与・資格手当を集めて年収を計算する
- 電気設備の上場会社の有価証券報告書で、平均年間給与と平均年齢を見る
電気の資格の活かし方は電気工事施工管理技士の年収と資格の活かし方で詳しく書いています。
資格の取りやすさは分野で違います。令和7年度の1級第二次検定の合格率は、電気工事と管工事が6割台、建築と土木は3割台後半でした。
出典: 建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 結果」 リンク・「1級電気工事施工管理技術検定 結果」 リンク/全国建設研修センター 1級土木 リンク・1級管工事 リンク
平均年収の数字を読むときの3つの注意
679.1万円や625万円を見て「自分は低い」「高い」と判断する前に、数字の中身を3点確かめます。
1. 平均であって、真ん中の人の額ではない
平均は、年収の高い一部の人に引っ張られます。所長級や大手の社員が平均を押し上げるので、真ん中の人(中央値)は平均より低いことがよくあります。job tagには所定内給与額別の人数グラフもあるので、分布を見たいときはそちらを開いてください。
また、job tagの統計データは、その職業が属する職業分類に対応する統計で、必ずしもその職業だけの数字ではないと、ページ上で注記されています。建築施工管理技術者の数字には、施工管理に近い職業もまとめて入っていると考えて読みます。
2. 年齢がそろっていない
建築は平均43.4歳、土木は平均46歳です。30代の人が自分の年収と比べると、年齢差の分だけ低く見えます。job tagの「年齢別の年収グラフ」で、自分の年代の数字と比べる方が実感に合います。
3. 残業代と賞与で大きく動く
同じ基本給でも、残業代と賞与で年収は変わります。下の図のように分けて考えると、転職先と比べるときに何が違うのかが見えます。
求人票の月給だけで比べると、賞与と残業代の差を見落とします。固定残業代がある求人の読み方は固定残業代(みなし残業)の求人票の読み方で説明しています。
求人の月給から年収を見積もるときの注意
job tagの求人賃金(月額)は、ハローワークの求人票に書かれた月給の平均です。建築の34.2万円を12か月分にすると410.4万円、土木の35.2万円なら422.4万円です。job tagの年収(679.1万円・625万円)とは、200万円以上の開きがあります。
この差は、計算の元になっている数字の違いから生まれます。求人賃金は募集時の月給で、残業代と賞与が入っていません。年収の方は、実際に働いている人の残業代・賞与を含み、平均年齢も43.4歳・46歳と経験を積んだ層です。求人票の月給×12だけで「この会社は年収が低い」と判断すると、賞与や残業代の分を見落とします。
| 数字 | 入っているもの | 入っていないもの |
|---|---|---|
| job tagの年収 | 毎月の給与・残業代・賞与(在職者の実績) | 会社ごとの差(全国の平均) |
| 求人賃金(月額) | 募集時の月給 | 残業代・賞与 |
| 有価証券報告書の平均年間給与 | 賞与・基準外賃金(会社による注記あり) | 職種ごとの差(全従業員の平均) |
求人票を比べるときは、月給に「賞与の実績(何か月分)」と「想定される残業代」を足して、年収の形にそろえてから並べます。賞与の実績が書かれていない求人は、面接で前年度の実績を聞いてください。
年収を上げる道は資格・立場・会社の3つ
同じ施工管理技士でも年収に差がつくのは、次の3つが重なるかどうかです。
- 資格: 1級を取ると監理技術者になる道が開ける。大きな現場を任せられる人として評価されやすい
- 立場: 工事主任から所長へ。役職手当と担当する工事の規模が変わる
- 会社: 同じ立場でも、会社の規模と業績で賞与が変わる
3つのうち、自分で一番早く動かせるのは資格です。2級から1級に上がると、監理技術者として大きな現場に置ける人になり、会社の公共工事の評点(経営事項審査)でも1級は2級より高く数えられます。立場と会社は、資格を持ってから移る方が交渉の材料が増えます。
1級の資格手当の相場の調べ方は1級施工管理技士の年収と資格手当で、年収1,000万円に届く条件は施工管理で年収1000万円に届く人の条件で書いています。
資格を持っていて、今の会社で手当や評価に反映されていないなら、資格者向けの求人と比べると差が見えます。
よくある質問
- job tagの年収には残業代や賞与が入っていますか。
- job tagの1時間あたりの賃金は、注記で残業代と賞与を含むとされています。年収も賃金構造基本統計調査を加工した数字です。算出方法はjob tagの「数値データの情報源」で確かめられます。
- 電気工事施工管理技士の年収の公的データはありますか。
- job tagで電気工事施工管理だけの年収ページは、今回確かめた範囲では見つかりませんでした。求人票の条件と、電気設備の上場会社の有価証券報告書で見当をつける方法があります。
- 建築と土木で、転職しやすいのはどちらですか。
- 令和7年度の有効求人倍率は、建築施工管理技術者が8.62倍、土木施工管理技術者が15.74倍でした。どちらも求人が求職者を大きく上回っていて、土木の方が倍率は高くなっています。
- 2級施工管理技士でも年収は上がりますか。
- 2級でも主任技術者として現場に置けるので、資格手当を払う会社があります。ただし大きな現場の監理技術者は1級が前提になるため、年収の上がり方は1級の方が大きくなりやすいです。2級を取った後に1級の受検資格を満たすまでの実務経験を確かめておくと、次の計画を立てやすくなります。
次にやること
- job tagの「年齢別の年収グラフ」を開き、自分の年代の数字を書き留める
- 自分の昨年の源泉徴収票を、毎月の給与・残業代・賞与の3つに分けてみる
- 求人票を3件選び、同じ3つに分けて今の年収と並べる
セコカン転職マップ編集部
施工管理の働き方と転職について、国土交通省・厚生労働省などの公的データと、求人票・試験団体の公表資料をもとに調べて書いています。数字には出典と年度を付けています。



