施工管理で年収1000万円に届く人の条件|会社の規模・役職・資格で見る

この記事には広告(PR)が含まれることがあります。掲載している数字・内容は、広告の有無に関係なく公的データや公表資料をもとにしています。
施工管理で年収1,000万円に届くのは、平均より大きく上の層です。厚生労働省のjob tagでは、建築施工管理技術者の年収が679.1万円、土木施工管理技術者が625万円で、1,000万円は建築の約1.5倍にあたります。一方で、有価証券報告書を見ると、全従業員の平均年間給与が1,200万円を超える建設会社もあります(2026年3月期)。
届く人には、会社の規模と業績、所長などの役職、1級資格の3つが重なっています。どれか1つだけでは届きにくい、というのが数字から見える姿です。
1000万円は施工管理の平均の約1.5倍
まず、平均との距離を確かめます。job tagの年収は令和7年賃金構造基本統計調査を加工した全国の数字で、建築は平均43.4歳、土木は平均46歳の人たちの平均です。
出典: 厚生労働省 job tag「建築施工管理技術者」 リンク・「土木施工管理技術者」 リンク(令和7年賃金構造基本統計調査を加工)/国税庁「令和7年分民間給与実態統計調査結果について」(令和8年9月) リンク
建築の平均679.1万円から1,000万円までは、あと約320万円あります。毎月の給与を少し上げるだけでは埋まらない差で、賞与の水準や役職手当の額が違う会社・立場に移ることが前提になります。
土木の平均625万円からは、あと375万円です。年齢で見ると、job tagの平均は40代半ばの人たちの数字なので、30代で平均に届いていなくても珍しくはありません。自分の年代の水準は、job tagの「年齢別の年収グラフ」で確かめられます。
平均で1000万円を超える会社は実在する
上場している建設会社は、有価証券報告書の「従業員の状況」に平均年間給与を載せています。2026年3月期の数字で、ゼネコンと設備サブコンの大手を1社ずつ見ると次のとおりです。
| 会社(区分) | 平均年間給与 | 平均年齢 | 従業員数 |
|---|---|---|---|
| 鹿島建設(ゼネコン) | 1,245.4万円 | 41.2歳 | 8,959人 |
| 高砂熱学工業(空調サブコン) | 1,245.7万円 | 41.5歳 | 2,469人 |
出典: 鹿島建設「有価証券報告書 第129期」(2026年6月24日提出) リンク/高砂熱学工業「有価証券報告書(2026年3月期)」(2026年6月18日提出) リンク。どちらも賞与と基準外賃金(残業代など)を含む。
2社とも、平均年齢41歳台で平均が1,200万円を超えています。ただし、これは事務・営業・設計なども含めた全従業員の平均で、施工管理だけの額ではありません。また、2社を「ホワイト」と評価するものでもありません。ここで分かるのは、会社によっては1,000万円が平均の範囲に入る、ということです。
同じ方法で、候補の会社の数字を見られます。ゼネコンとサブコンの違いはゼネコンとサブコンの施工管理の違いで比べています。
届く人に重なる3つの条件
1,000万円に届く人を、公表されている数字と制度から整理すると、次の3つの条件が重なっています。
1. 会社の規模と業績
賞与は会社の業績で決まる部分が大きく、何か月分出るかは会社ごとに違います。国税庁の調査では、建設業の平均給与590.3万円のうち平均賞与は86.8万円でした。業績が良い大手は、この賞与の部分が大きくなります。
確かめ方は、上場会社なら有価証券報告書の平均年間給与と、決算の業績の推移です。上場していない会社では、求人票の「賞与 前年度実績〇か月分」の欄と、面接で聞く過去3年の賞与の実績が手がかりになります。
2. 所長・管理職の立場
所長や工事部の管理職になると、役職手当が付き、担当する工事の規模も大きくなります。ただし、労働基準法の「管理監督者」にあたる立場になると、時間外労働の割増賃金が払われません。残業代がなくなる分を役職手当と賞与で上回れるかを、昇進前に確かめる必要があります。管理監督者にあたるかどうかは肩書きでなく実態で判断されるので、疑問があれば労働基準監督署や社労士に確認してください。
確かめ方は、求人票の「年収例」や「モデル年収」の欄と、面接で聞く「所長になるまでの年数の目安」「役職手当の額」です。管理職の募集では、残業代の扱いが「管理監督者として支給なし」なのか「残業代を支給」なのかも聞いておきます。
3. 1級資格と監理技術者
建設業法では、元請として下請に出す金額の合計が5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)の工事に監理技術者を置きます(2025年2月1日から)。大きな工事の所長を任されるには、1級施工管理技士などで監理技術者になれることが前提になる場面が多く、資格は3つ目の条件の入口です。資格手当の調べ方は1級施工管理技士の年収と資格手当で説明しています。
出典: 国土交通省「建設業の許可とは」 リンク
3つの条件のうち、今すぐ動かせるのは資格です。会社と立場は転職で変えられますが、1級と所長の経験がある方が、年収水準の高い会社の選考で評価されやすくなります。順番としては、資格を取る、今の会社で全体を見る立場を経験する、その経験を持って会社を移る、の流れが現実的です。
残業代で1000万円を目指すのは難しくなった
以前は、長時間の残業で年収を押し上げる働き方もありました。2024年4月からは建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、原則は月45時間・年360時間、特別な事情があっても年720時間以内です(厚生労働省)。残業代で年収を伸ばせる幅には、法律で上限ができました。
出典: 厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」 リンク
このため、これから1,000万円を狙うなら、毎月の給与・賞与・役職手当の部分を大きくする方向になります。上限規制の中身は施工管理の残業上限(2024年4月〜)で整理しています。
| 年収の部分 | 大きくする方法 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 毎月の給与 | 基本給の水準が高い会社へ移る、資格手当を得る | 求人票の月給の幅、資格手当の欄 |
| 賞与 | 業績の良い会社へ移る | 前年度の賞与実績(何か月分か)、有価証券報告書の業績 |
| 役職手当 | 所長・管理職になる | 役職ごとの年収例、管理監督者の扱い |
| 残業代 | 上限規制の範囲内に限られる | 固定残業代の時間数、超過分の支払い |
年収と引き換えになりやすい条件
年収の高い会社や立場には、引き換えになりやすい条件もあります。応募の前に、年収以外の条件も同じ表に並べておくと、入社後の食い違いを減らせます。
- 転勤: 全国に支店がある会社では、現場に合わせた転勤や単身赴任がある
- 担当の規模: 大きな現場の所長は、工程・原価・安全の責任を一手に負う
- 残業代の扱い: 管理監督者になると時間外労働の割増賃金が払われない
- 評価: 賞与の比重が大きい会社では、業績が悪い年に年収が下がる
転勤については、国の統計で手当の水準が分かります。厚生労働省の就労条件総合調査(令和2年)では、「単身赴任手当、別居手当など」を払う企業は全体で13.1%ですが、1,000人以上の企業では66.6%でした。支給された人の1人平均は月47.6千円です。大きな会社ほど、単身赴任を前提にした制度が整っていると読めます。
出典: 厚生労働省「令和2年就労条件総合調査の概況」第18表・第19表(令和元年11月分) リンク
転勤の有無と範囲は、求人票の「転勤」欄に書かれています。「当面なし」「エリア内のみ」など書き方が分かれるので、面接で過去の実績を聞くと確かです。
今の自分との差を数字で確かめる手順
1,000万円に届くかどうかは、今の年収と候補の会社の数字を同じ形で並べると見えてきます。
2で平均年齢も見るのは、平均年間給与が高くても、平均年齢が高い会社では若い人の水準が低い場合があるためです。3の役職別の年収例は、求人票の「年収例」「モデル年収」の欄に書いている会社があります。書いていなければ、面接で「所長になった場合の年収の幅」を聞きます。
交渉に使う数字のそろえ方は施工管理の年収を転職で上げる手順にまとめています。
大手や年収水準の高い会社の求人は、公開されずに転職エージェント経由で出ることもあります。施工管理の経験と資格を伝えて、条件に合う求人を探してもらう方法があります。
よくある質問
- 施工管理で年収1000万円の人はどのくらいいますか。
- 施工管理で年収1,000万円を超える人の割合を示す公的統計は見当たりませんでした。job tagの平均は建築679.1万円、土木625万円なので、1,000万円は平均よりかなり上の層です。
- 中小の建設会社でも1000万円に届きますか。
- 会社によります。規模で一律には決まらず、業績と賞与、役職の構成で変わります。上場していない会社は有価証券報告書がないので、面接で賞与の実績と役職ごとの年収の幅を聞いてください。
- 所長になれば必ず年収が上がりますか。
- 必ずとは言えません。管理監督者として扱われると残業代が払われなくなるため、役職手当と賞与の増え方が残業代の減り方を上回るかで変わります。昇進前に、役職手当の額と残業代の扱いを確かめてください。
- 転職で一気に1000万円まで上げられますか。
- 今の年収や立場によります。所長の経験と1級資格を持って賞与の水準が高い会社へ移れば、大きく上がる例もあります。ただ、入社時の年収を前職の年収をもとに決める会社もあります。段階的に上がる前提で計画を立てる方が現実的です。
次にやること
- 昨年の源泉徴収票と給与明細から、毎月の給与・残業代・賞与の額を書き出す
- 候補の会社を3社選び、有価証券報告書の平均年間給与と平均年齢を表にする
- 求人票の年収例を見て、所長・管理職になった場合の幅を面接で聞く質問にまとめる
セコカン転職マップ編集部
施工管理の働き方と転職について、国土交通省・厚生労働省などの公的データと、求人票・試験団体の公表資料をもとに調べて書いています。数字には出典と年度を付けています。



