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1級施工管理技士の年収と資格手当の相場の調べ方|求人票で見る3か所

セコカン転職マップ編集部

1級施工管理技士の年収と資格手当の相場の調べ方|求人票で見る3か所

この記事には広告(PR)が含まれることがあります。掲載している数字・内容は、広告の有無に関係なく公的データや公表資料をもとにしています。

1級施工管理技士だけの年収を示す公的統計はありません。厚生労働省のjob tagの年収(建築施工管理技術者679.1万円、土木施工管理技術者625万円)は、資格の有無を分けていない数字です。資格手当も、国の調査で職種別の額は出ていません。全産業では「技能手当、技術(資格)手当など」を払う会社が50.8%でした。支給された人の1人平均は月18.8千円です(厚生労働省「令和2年就労条件総合調査」、令和元年11月分)。

施工管理の資格手当の相場は、求人票を集めて自分で並べるのが一番確かです。その手順と、1級が会社に評価される理由を説明します。

1級が会社にとって価値がある2つの理由

資格手当の額は、会社がその資格でどれだけ得をするかで決まります。1級施工管理技士の場合、会社にとっての価値は2つあります。

1. 監理技術者を置ける

建設業法では、特定建設業者が元請として下請に出す金額の合計が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)になる工事に、監理技術者を置くことになっています。この金額は2025年2月1日に引き上げられました。1級施工管理技士は、監理技術者になるための代表的な資格です。1級の人がいなければ、会社は大きな工事を元請で受けられません。

出典: 国土交通省「建設業の許可とは」 リンク

2. 公共工事の評点(経審)が上がる

公共工事の入札に参加する会社は、経営事項審査(経審)を受けます。技術職員の評価では、資格ごとに点数が決まっていて、1級は2級より高く数えられます。

経審の技術職員1人あたりの点数 1級監理受講者 6点 1級技術者 5点 基幹技能者 3点 2級技術者 2点 その他技術者 1点 1級監理受講者=監理技術者資格者証を持ち、 監理技術者講習を受けた1級資格者
図: 経営事項審査の技術職員評価の点数(国土交通省資料の区分表から作成)

出典: 国土交通省 中央建設業審議会資料「経営事項審査の審査項目の改正(案)」(2016年) リンク。区分はその後も改正があるので、最新は各地方整備局・都道府県の経審の手引きで確かめてください。

1級の人は1人あたり5点か6点、2級の人は2点として数えられます。公共工事を多く受ける会社ほど、1級の人に手当を払う理由がはっきりしています。

この2つの理由から、資格手当の額は会社の仕事の中身でも変わります。公共工事を元請で受ける会社や、大きな民間工事を元請で受ける会社ほど、1級の人がいないと仕事が取れない場面が多くなります。求人票を見るときは、その会社の主な工事が公共か民間か、元請か下請かも一緒に確かめておくと、手当の額の理由が読めます。

国の統計で分かる資格手当の水準

厚生労働省の就労条件総合調査(令和2年)では、手当の種類ごとに、払っている会社の割合と、もらった人の1人平均額が出ています。施工管理だけの数字ではなく、全産業の常用労働者30人以上の企業が対象です。

企業規模技能手当・技術(資格)手当などを払う企業の割合支給された人の1人平均(月額)
全体50.8%18.8千円
1,000人以上49.6%17.8千円
300〜999人53.8%15.6千円
100〜299人55.9%18.9千円
30〜99人48.8%21.8千円

出典: 厚生労働省「令和2年就労条件総合調査の概況」第18表・第19表(令和元年11月分) リンク

この手当は「特定の技能、検査資格などを持つ人に払う賃金」と定義されていて、施工管理技士の資格手当もここに入ります。全産業でも、払う会社は半分ほどです。1人平均の額は30〜99人の会社が最も高く、同じ調査では、所定内賃金に占める手当全体の割合が規模の小さい会社ほど高いことも示されています(第17表)。

1級の手当がこの平均より高い会社もあれば、手当がなく基本給や賞与に含めている会社もあります。額だけでなく、どこに含まれているかを確かめる必要があります。

資格手当の相場を求人票で集める手順

施工管理の資格手当の相場は、公開されている求人票を同じ条件で集めると、自分の地域・分野の水準が分かります。

資格手当の相場を調べる4ステップ 1 資格名と勤務地で求人を検索する(10件以上) 2 手当欄で資格手当の金額と払い方を書き写す 3 月額・一時金・基本給に含む、の3つに分ける 4 月額で払う会社だけで、金額の幅を見る
図: 求人票から資格手当の相場を調べる手順

1の検索には、ハローワークインターネットサービスが使えます。キーワードに「1級建築施工管理技士」などの資格名を入れ、勤務地を今の通勤圏に絞ります。求人票の「賃金・手当」欄に、資格手当が別に書かれている求人があります。民間の求人サイトでも同じ方法で集められます。

3で分けるのは、払い方によって年収への効き方が違うためです。

払い方求人票での書かれ方の例年収への効き方
毎月の手当資格手当(1級)月〇円毎月入る。一般に残業代の計算の基礎にも入る
一時金・合格祝い金資格取得時に〇円支給取った年に1回だけ。年収の比較には入れない
基本給に含む月給〇〜〇円(資格・経験により決定)手当の欄に出てこない。基本給の幅で比べる

手当の欄が空でも、基本給の幅が広い求人は、資格で基本給を決めている場合があります。面接で「1級を持っている場合、月給はどの幅になりますか」と聞くと確かめられます。

求人票の「ここを見る」3か所

資格手当があっても、ほかの条件と組み合わせると手取りが変わります。求人票で必ず見るのは次の3か所です。

求人票の賃金欄で見る3か所 賃金・手当(記入例) 基本給 月〇〇万円〜〇〇万円 資格手当 1級 月〇万円/2級 月〇万円 固定残業代 月〇万円(〇時間分) 超過分は別途支給 通勤手当 実費(上限あり) 賞与 年2回・前年度実績〇か月分 1級と2級の差額はいくらか 毎月か、一時金か 何時間分か、超過分の記載 手当と合わせて月給を読む 何か月分の実績か 手当が計算の基礎に入るか
図: 求人票の賃金欄で見る3か所(〇は伏せ字の記入例)

固定残業代は、月給に何時間分の残業代が含まれているかの記載です。資格手当が高く見えても、固定残業の時間が長い求人は、実際の残業時間とあわせて判断します。読み方は固定残業代(みなし残業)の求人票の読み方で詳しく書いています。

資格手当の欄では、1級と2級の差額に加えて、複数の資格を持っているときの扱いも見ます。「1資格のみ支給」「上限〇円まで併給」など、会社によって決まりが違います。建築と電気、管工事と給水装置など、2つ以上の資格を持っている人は確かめておくと、年収の見積もりがずれません。

賞与を「基本給の〇か月分」で決める会社では、資格手当が賞与の計算に入るかどうかで年収が変わります。求人票に書いていなければ、面接で聞いてください。

資格手当がない会社で確かめること

求人票に資格手当の欄がなくても、1級を評価していないとは限りません。会社によって、資格の評価を入れる場所が違うためです。手当以外で確かめる場所は次の4つです。

  • 基本給の決め方: 等級や基本給の幅が、資格の有無で決まるか
  • 昇格の条件: 主任・所長への昇格に1級が条件になっているか
  • 賞与の評価: 資格や監理技術者として配置された実績が評価に入るか
  • 現場ごとの手当: 監理技術者・主任技術者として現場に置かれたときの手当があるか

どれも求人票には出にくい情報なので、面接か内定後の条件確認の場で聞きます。「1級を持っている場合と持っていない場合で、入社時の月給はどれくらい違いますか」と差額で聞くと、手当か基本給かに関係なく比べられます。

反対に、資格手当が高くても基本給が低い会社では、賞与が「基本給の〇か月分」で決まると、年収では差が縮むことがあります。手当の額だけでなく、年収の形に直して比べるのが確実です。

1級を持って年収を上げる進め方

令和7年度に1級の第二次検定に合格した人は、全分野で30,849人でした(国土交通省)。内訳は土木9,603人、建築7,091人、電気工事6,607人、管工事4,360人などです。合格者は1年で3万人を超えますが、大きな工事には監理技術者が要るので、1級は会社を移るときの材料になります。

出典: 国土交通省 技術検定の合格者数(令和7年度)の公表ページ リンク

今の会社で1級を取っても手当が付かない、評価が変わらないという場合は、上の手順で集めた相場と比べると、差が数字で分かります。交渉に使う数字のそろえ方は施工管理の年収を転職で上げる手順に、job tagの年収の読み方は施工管理技士の年収にまとめています。

1級を取る前の人は、受検資格と受検する年を先に決めておくと、転職の時期と合わせやすくなります。令和6年度から受検資格が変わり、1級の第一次検定は19歳以上なら受けられるようになりました(全国建設研修センター)。第一次検定に合格すると「1級施工管理技士補」になり、第二次検定に必要な実務経験を積みながら転職活動を進める人もいます。

出典: 一般財団法人 全国建設研修センター お知らせ(受検資格の変更について) リンク

資格手当や基本給の幅は、求人票だけでは分からない会社もあります。資格者向けの転職支援に、持っている資格と希望の条件を伝えて求人を比べる方法もあります。

よくある質問

1級施工管理技士の平均年収はいくらですか。
1級の資格を持つ人だけの平均年収を示す公的統計はありません。job tagの建築施工管理技術者679.1万円、土木施工管理技術者625万円は、資格の有無を分けていない数字です。
資格手当は1級と2級でどれくらい違いますか。
国の統計で1級と2級の手当の差を示したものはありません。求人票に「1級 月〇円/2級 月〇円」と分けて書いている会社があるので、10件ほど集めて差額を比べると、地域の目安が分かります。
資格手当は残業代の計算に入りますか。
資格手当のように仕事の内容に応じて払う手当は、一般に割増賃金の計算の基礎に入ります。ただし扱いは手当の決め方によるので、気になる場合は会社の賃金規程を確かめ、労働基準監督署や社労士に確認してください。
1級を取ったら、今の会社で手当の交渉をしてもいいですか。
交渉すること自体に問題はありません。求人票で集めた資格手当の幅と、会社が1級で得られるもの(監理技術者の配置、経審の評点)を数字で並べて話すと、感情の話になりにくくなります。手当の規程が決まっている会社では、規程の改定を待つことになる場合もあります。

次にやること

  1. ハローワークインターネットサービスで、自分の資格名と通勤圏で求人を10件集める
  2. 資格手当を「月額・一時金・基本給に含む」の3つに分け、月額の会社だけで幅を見る
  3. 今の給与明細の資格手当と比べ、差額を年額に直して書き留める

セコカン転職マップ編集部

施工管理の働き方と転職について、国土交通省・厚生労働省などの公的データと、求人票・試験団体の公表資料をもとに調べて書いています。数字には出典と年度を付けています。