新卒で施工管理、1年もたずに辞めたい|10か月で辞めても次につながる辞め方と行き先

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新卒で入った施工管理を1年以内に辞めたいと思っても、珍しいことではありません。厚生労働省の集計では、2023年3月に大学を出て就職した人の11.0%、高校を出て就職した人の17.4%が、1年目のうちに辞めています。短い経験でも、担当した工事を具体的に話せて、2級の第一次検定のように今から受けられる資格に手を付けていれば、次の会社につなげられます。辞める前に、嫌なのが仕事か会社か配属かを分けることから始めてください。
1年以内に辞めたいのは自分だけ?
自分だけではありません。新卒で就職した人のうち、どのくらいが何年目に辞めているかを、厚生労働省が卒業年ごとに出しています。
出典: 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和5年3月卒業者)」(2026年10月公表) リンク / 建設業の値は同省「新規学卒者の離職状況」の新規大学卒業就職者の産業別離職状況(表)の就職者数・離職者数から算出 リンク
全産業で見ると、大卒の31.2%が3年以内に辞めています。建設業の大卒は就職者21,892人のうち5,866人が3年以内に辞めていて、26.8%です。全体より少し低いものの、4人に1人より多い割合です。1年目に辞める人がいちばん多いのは、大卒も高卒も同じです。
同じ集計では、会社の規模による差の方が大きく出ています。大卒の3年以内の離職率は、従業員1,000人以上の事業所で24.2%、5人未満の事業所では58.2%でした。次の会社を選ぶときは、会社の規模と若手の人数もあわせて見ておくと参考になります。
建設業に絞ると、高卒の方が辞める割合は高い
同じ統計の産業別の表から建設業の行だけを取り出すと、次のようになります。1年目までに辞めた人と、3年目までに辞めた人の人数と割合です。
| 学歴 | 建設業に就職した人 | 1年目までに辞めた人 | 3年目までに辞めた人 | 全産業の3年以内 |
|---|---|---|---|---|
| 大学卒 | 21,892人 | 2,070人(9.5%) | 5,866人(26.8%) | 31.2% |
| 高校卒 | 12,745人 | 2,411人(18.9%) | 5,208人(40.9%) | 36.9% |
出典: 厚生労働省「新規学卒者の離職状況」新規大学卒業就職者・新規高校卒業就職者の産業別離職状況(令和5年3月卒)。割合は表の人数から算出 リンク
建設業の大卒は全産業より低く、高卒は全産業より高い、という形です。大卒の建設業は、令和3年3月卒の30.7%、令和4年3月卒の30.5%から下がりました。高卒で建設業に入った人では、およそ5人に1人が1年目のうちに辞めています。
Xでも、新卒で施工管理に入り、暑さ寒さと満員電車がこたえて10か月で辞めたという投稿を見かけます。辞めたい気持ちそのものは、おかしなことではありません。考えたいのは、辞めた後に何を変えたいかです。
辞めたい理由を「仕事」「会社」「配属」に分ける
1年目は、仕事の中身と、会社の決め方と、たまたまの配属が全部まとめて重く見えます。紙に書き出して3つに分けると、次に取る手が変わります。
| 分け方 | 例 | 変える方法 |
|---|---|---|
| 仕事そのもの | 屋外の暑さ寒さ、工程の締め切り、職人さんとの調整 | 施工管理以外も含めて考える。発注者側のように立場を変える道もある |
| 会社の決め方 | 毎週の土曜出勤、1年目から1人で現場、残業代の扱い | 施工管理のまま、別の会社に移る |
| 配属・人 | 遠い現場、相性の悪い所長、通勤2時間 | 社内の異動で変わることがある。まず相談してみる |
「配属・人」に当てはまる理由が多いなら、辞める前に上司や人事に相談する余地があります。現場は工期ごとに変わるので、次の現場で状況が変わることもあります。
「会社の決め方」が多いなら、同じ施工管理の中で働き方の違う会社を探す方が近道です。施工管理は人が足りていない職種で、総務省の労働力調査をもとにした国土交通省の資料では、建設業の就業者のうち29歳以下は11.9%しかいません。若い経験者を探している会社はあります。
出典: 国土交通省「建設業を取り巻く状況等について」 リンク
「仕事そのもの」が多い場合も、すぐに建設業を離れると決めなくてかまいません。暑さ寒さがいちばんつらいなら、改修や設備のように屋内が中心の工事もあります。気候がつらい場合の考え方は夏の現場の熱中症の記事にも書いています。
早く辞めると次の会社で不利になる?
短い期間で辞めた理由は、面接でほぼ必ず聞かれます。ただ、新卒から3年以内くらいの若い人を「第二新卒」として採る会社もあり、1年未満だから応募できないということはありません。面接で見られるのは、期間の長さより、次も同じ理由で辞めないかどうかです。
そのために、1年未満でも話せる材料を用意しておきます。
- 担当した工事: 用途(マンション・工場・道路など)、規模、工期、自分がいた工程
- やった仕事: 写真管理、安全書類、朝礼の進行、資材の手配など、任されたことを具体的に
- 辞める理由と次の希望: 「毎週土曜が出勤で、資格の勉強の時間が取れなかった。4週8休の実績がある会社で2級を取りたい」のように、理由と希望をつなげる
前の会社の悪口に聞こえないよう、事実と次の希望だけを話すのがこつです。面接でよく聞かれる質問は施工管理の転職面接でよく聞かれる30問に並べています。
家族や学校の先生に言いにくい、という人もいます。言う前に、辞めたい理由と次にやりたいことを1枚に書いておくと、「すぐ辞めるのはもったいない」と言われても、何を変えたいのかを落ち着いて話せます。
次につながる辞め方の順番
勢いで辞めると、次の会社が決まるまで収入が途切れます。体や心が限界に近い場合を除けば、在職中に次を探す方が、比べる余裕を持てます。
2の書き出しは、面接の答えにそのまま使えます。工程表や施工計画書の表紙を見返すと、工事の名前や工期を正確に思い出せます(社外に持ち出すのではなく、自分のメモに書き写すだけにしてください)。
資格の準備も並行して始められます。2級施工管理技士の第一次検定は、試験の年度に17歳以上なら、実務経験がなくても受けられます。合格すると「技士補」になり、面接で勉強を続けていることを示す材料になります。
出典: 建設業振興基金「2級建築施工管理技術検定のご案内」 リンク / 国土交通省「令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります」 リンク
体調を崩している、眠れない日が続いている、という場合は順番を変えてください。転職活動より先に医療機関にかかり、会社とのやり取りで困ったら総合労働相談コーナーに相談できます。退職の手続きの流れは施工管理を辞めたいと思ったらの記事にまとめています。
退職の伝え方
内定が出たら、まず直属の上司に口頭で伝え、そのうえで就業規則の決まりどおりに書面を出します。理由は「別の会社で働くことにした」で足ります。1年目だと「せっかく育てたのに」と言われることもありますが、引き継ぎを丁寧にすることで応えれば十分です。写真の整理や、自分が持っていた書類の置き場所を後任に分かる形で残しておくと、最後まで揉めずに済みます。
新卒1年目から選べる行き先
| 行き先 | 1年目の経験の使い方 | 面接で確かめること |
|---|---|---|
| 同じ分野の別の会社 | 現場の流れを知っている分、教え直しが少なくて済む | 若手を何人で育てるか、1年目から1人で現場を持つか |
| 改修・内装・設備の施工管理 | 工程や安全書類の経験がそのまま使える | 屋内工事の割合、現場の場所 |
| 発注者支援・建設コンサル | 現場で見た工程や書類の知識を、確認する側で使う | 研修の有無、現場に出る頻度 |
| 建設業の外 | 図面を読む力、段取りの経験 | 何を変えたいかが、その仕事で本当に変わるか |
20代のうちは、まだ選べる会社の幅が広い時期です。建設業界の経験者向けの求人サイトで、若手の育て方や休みの実績が書かれた求人から見ていくと、比べやすくなります。
求人票では、給与の額より先に、年間休日、固定残業代の有無、勤務地の範囲を見てください。新卒で入った会社で何がつらかったかが、この3つのどれかに当たることが多いからです。固定残業代の読み方は施工管理の固定残業代の記事で図にしています。
よくある質問
- 新卒で入って半年で辞めたら、どこも雇ってくれない?
- そうとは限りません。第二新卒を採る会社もあります。面接で辞めた理由と次の希望をつなげて話せるよう、担当した工事とやった仕事を書き出しておいてください。
- 1年は我慢した方がいいって言われるけど本当?
- 1年続けると話せる経験は増えますが、体や心を壊してまで待つ理由にはなりません。眠れない、朝起きられないといった状態なら、医療機関にかかることを先にしてください。
- 辞めたいと言ったら上司に引き止められた。どうすればいい?
- 残るかどうかは自分で決めてかまいません。配属や働き方を変えると言われたら、何がいつから変わるのかを確かめてから判断してください。退職の申し出で困ったら、総合労働相談コーナーに相談できます。
- 施工管理の資格は、辞めた後でも取れる?
- 2級の第一次検定は年齢の条件だけで受けられるので、辞めた後でも受けられます。第二次検定は、合格後に実務経験が必要です。次も施工管理を続けるなら、移った先で経験を積みながら受ける形になります。
次にやること
- 辞めたい理由を「仕事」「会社」「配属」の3つに分けて紙に書く
- 担当した工事の用途・規模・工期と、自分がやった仕事を1枚にまとめる
- 2級施工管理技士の第一次検定の日程を確かめ、在職中のまま求人を見始める
セコカン転職マップ編集部
施工管理の働き方と転職について、国土交通省・厚生労働省などの公的データと、求人票・試験団体の公表資料をもとに調べて書いています。数字には出典と年度を付けています。



