電気施工管理の転職先|サブコン・設備会社・メーカー系の違いと選び方

この記事には広告(PR)が含まれることがあります。掲載している数字・内容は、広告の有無に関係なく公的データや公表資料をもとにしています。
電気施工管理の転職先は、大きく「電気のサブコン」「地域の電気工事会社」「メーカー系・電力系・鉄道系の工事会社」「設備管理会社と発注者側」の4つに分かれます。建設業振興基金の公表では、令和7年度の1級電気工事施工管理技術検定の合格者のうち79.6%が電気の建設業で働いていて、多くの人は同じ電気の工事会社どうしで移ることになります。違いが出るのは、休みの決まり方、夜間作業の有無、資格がどこまで評価に効くかの3点です。
この先では、4つの行き先を公表データと仕事の中身で比べ、今の担当から行き先を選ぶ手順を図にします。
1級電気の合格者はどこで働いているか
令和7年度の1級電気工事施工管理技術検定 第二次検定の合格者6,607人の勤務先は、建設業(電気)が79.6%、建設業(その他)が9.7%でした。官公庁が1.5%、電力会社と鉄道会社がそれぞれ1.0%、設計事務所が0.7%です。
出典: 一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級電気工事施工管理技術検定 第二次検定 実施結果」合格者の主な属性 PDF
建設業(その他)の9.7%は、電気以外の業種の工事会社で働く1級電気の合格者です。ゼネコンの設備担当のような立場の人がここに入ります。電力会社・鉄道会社・官公庁を合わせても3.5%で、発注者や施設の持ち主の側で1級電気を取る人は少数です。
合格者の年齢は、29歳以下が25.5%、30〜34歳が20.5%、35〜39歳が14.7%、40代が合わせて24.6%、50歳以上が14.7%でした。女性は3.0%です。1級電気の合格者のうち、資料の集計で2級電気の合格者に入っている人は3.7%だけです。若い1級合格者が増えているので、30代後半より上の人は、監理技術者として入った現場の数や、受電まで担当しきった経験で差をつけることになります。
電気工事業の会社そのものは増えています。国土交通省の調査では、電気工事業の許可業者は令和8年3月末で66,534業者でした。資本金で分けると、5,000万円未満の会社が61,604業者で全体の92.6%を占め、1億円以上の会社は2,159業者です。転職先の候補の大半は中小の会社で、大手のサブコンはごく一部だと分かります。
出典: 国土交通省「建設業許可業者数調査の結果について(令和7年度末)」調査結果(詳細)表-3・表-6 PDF(割合は表の値から計算)
4つの行き先を並べて比べる
4つの行き先の違いを、仕事の中身・休みや残業の出方・評価されやすい経験で並べました。会社ごとの差が大きいので、「何で決まるか」を書いています。
| 行き先 | 主な仕事 | 休み・残業の出方 | 評価されやすい経験 |
|---|---|---|---|
| 電気のサブコン(大手・中堅) | ビル・工場・病院などの電気設備工事の施工管理 | ゼネコンの工程に合わせるため、竣工前に忙しさが集中する | 受変電・幹線・動力の施工管理、監理技術者の経験 |
| 地域の電気工事会社 | 中小規模の新築・改修、公共施設の電気工事 | 公共工事の比率で年度末の偏りが変わる | 1人で現場を回した件数、公共工事の書類 |
| メーカー系・電力系・鉄道系の工事会社 | 親会社グループの設備や、電力・鉄道の電気設備の工事 | 線路や設備を止められる時間に作業するため夜間が入ることがある | 同じ分野の施工経験、停電作業や安全管理の手順 |
| 設備管理会社・発注者側 | 建物の電気設備の保守・更新工事の発注と監理 | 自社で施工しないので現場に張り付く時間は減りやすい。設備の不具合で呼び出しがある会社も | 改修工事の段取り、業者の見積もりの査定 |
この表の中で、1級電気工事施工管理技士の資格がそのまま配置の要件として効くのは、電気のサブコンと地域の電気工事会社です。メーカー系や設備管理の会社では、資格に加えて、その分野の設備を扱った経験があるかで評価が決まりやすくなります。資格が年収にどう効くかは電気工事施工管理技士の年収で整理しています。
電気のサブコンは「担当現場の数」と「ゼネコンの工程」で忙しさが決まる
電気のサブコンの施工管理は、ゼネコンの全体工程の中で電気の工程を組みます。受電日や総合試運転の日は全体の工程で決まるので、内装や機械設備の遅れがそのまま電気の残業になりやすい立場です。国土交通省の資料にある地場ゼネコンへの聞き取りでも、「11月〜3月にかけて、主に電気工事への依頼が集中」という回答が載っています。
出典: 国土交通省「建設業を取り巻く状況等について」内「建設業における業務の繁閑に関する所感(地場ゼネコン)」 PDF
同じサブコンでも、1人で大きな現場1件に入る会社と、中小の現場を3〜4件掛け持ちする会社では、働き方がまったく違います。面接では「入社後、1人あたり何件の現場を担当しますか」「直近1年で月の残業が45時間を超えた月は何回ありましたか」と数で聞いてください。2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、月45時間を超えられるのは特別条項がある場合で年6か月までです。
出典: 厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」 リンク
サブコンが忙しいと言われる理由と、働きやすい会社の条件はサブコンの施工管理がきついと言われる理由で詳しく扱っています。
地域の電気工事会社は公共工事の比率を見る
地域の電気工事会社は、学校や庁舎などの公共施設の電気工事を請ける会社と、民間の店舗や工場の工事が中心の会社に分かれます。休みの面では公共工事の比率が手がかりになります。国土交通省の令和7年度の調査では、4週8休以上の技術者は、公共工事がほとんどの会社で67.0%、民間工事がほとんどの会社で21.6%でした(建設業全体の技術者の数字)。
出典: 国土交通省「建設業を取り巻く状況等について」内「建設業における平均的な休日の取得状況」(元の調査は「令和7年度 適正な工期設定による働き方改革の推進に関する調査」) PDF
ただし公共工事は年度末に工期が集まりやすく、学校の改修は夏休みの7〜8月に工事が集中します。国土交通省の同じ資料にも、学校改修などの公共工事で電気・設備などの協力業者に夏休み期間中の依頼が多いという回答があります。休みの日数だけでなく、忙しい時期がいつ来るかも聞いておくと、入社後の1年の見通しが立ちます。
メーカー系・電力系・鉄道系と、設備管理・発注者側の違い
メーカー系・電力系・鉄道系の工事会社は、親会社やグループの設備、電力設備、鉄道の電気設備など、扱う分野がはっきりしているのが特徴です。会社のページの施工実績で、親会社関連の工事がどれくらいあるかを確かめると、仕事の中身が見えてきます。線路や送配電の設備を止められる時間に作業する工事では、夜間作業が入ることがあります。夜間作業の頻度と、翌日の休みの取り方を面接で確かめてください。
設備管理会社や、建物の持ち主・管理会社の工事部門(発注者側)は、自分で施工するのではなく、更新工事を計画して業者に発注し、監理する立場です。電気のサブコンで受変電設備の更新や改修を担当した経験は、ここでそのまま使えます。一方で、設備の不具合で夜間や休日に呼び出しがある会社もあるので、呼び出しの体制(当番制か、何人で回すか)を聞いておくと安心です。発注者側の仕事の全体像は発注者側の施工管理とはで比べています。
行き先の候補が決まったら、電気の施工管理の求人を扱う転職サービスに、夜間作業の有無や担当現場数の条件を伝えて求人を集める方法もあります。
今の担当から行き先を選ぶ手順
4つのうちどれが合うかは、今どんな電気の工事を担当してきたかで決まります。下の流れで絞り込むと、応募先を2つの行き先に絞れます。
新築の受変電や幹線を担当してきた人は、資格がそのまま配置の要件に効くサブコンか地域の電気工事会社が第一候補です。改修や保守が中心だった人は、設備管理会社や発注者側の方が経験を活かしやすくなります。電力や鉄道など特定の分野にいた人は、同じ分野の会社なら経験年数がそのまま評価されます。
面接で数で聞く3つのこと
1人あたりの担当現場数、直近1年で月45時間を超えた月の回数、夜間作業や呼び出しの頻度。この3つを同じ聞き方で2〜3社に聞くと、行き先ごとの違いが表で比べられます。
よくある質問
- 電気の施工管理からゼネコンの設備担当へ移ることはできますか。
- ゼネコンには、設備工事全体の工程や品質を見る設備担当の部署を置く会社があります。令和7年度の1級電気合格者のうち、電気以外の建設業で働く人は9.7%でした。電気だけでなく空調・衛生も含めて見る立場になるので、求人票の仕事内容で担当範囲を確かめてください。
- 2級電気工事施工管理技士でも転職先はありますか。
- 2級でも、主任技術者として現場に置けるため求人はあります。監理技術者が必要な大きな現場を担当したい場合は1級が必要です。1級の第一次検定は令和6年度から19歳以上なら受けられるので、転職と並行して受検を考える人もいます。
- 電気のサブコンから地域の電気工事会社へ移ると、休みは増えますか。
- 会社の規模より、請けている工事の種類で決まります。公共工事が中心の会社は4週8休以上の割合が高い傾向が国の調査に出ていますが、年度末や夏休みに工事が集まります。民間の改修が中心の会社では、テナントの休みに合わせた夜間・休日作業が入ることがあります。応募先の施工実績と、技術者本人の月平均の休日数を確かめてください。
- 電気工事士の資格だけでも施工管理の求人に応募できますか。
- 応募できる求人はありますが、施工管理として現場に置かれる技術者の要件は、施工管理技士などの資格や実務経験で決まります。求人票の「必須資格」と「歓迎資格」の欄を分けて読んでください。
次にやること
- 直近3年に担当した工事を「新築の受変電・幹線」「改修・保守」「特定の分野」の3つに分けて件数を数える
- 流れ図で当てはまる行き先を2つ選び、それぞれ求人を3件ずつ集める
- 面接で担当現場数・月45時間超えの回数・夜間作業の頻度を同じ聞き方で聞き、表に並べて比べる
セコカン転職マップ編集部
施工管理の働き方と転職について、国土交通省・厚生労働省などの公的データと、求人票・試験団体の公表資料をもとに調べて書いています。数字には出典と年度を付けています。



