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1級建築施工管理技士の転職市場|受検者数の推移と転職で評価される経験

セコカン転職マップ編集部

1級建築施工管理技士の転職市場|受検者数の推移と転職で評価される経験

この記事には広告(PR)が含まれることがあります。掲載している数字・内容は、広告の有無に関係なく公的データや公表資料をもとにしています。

1級建築施工管理技士の転職市場は、資格を持つ人が増えるなかで「どんな現場を任されてきたか」で差がつく段階に入っています。建設業振興基金の公表では、1級建築の第一次検定の受検者は令和3年度の22,277人から令和8年度の42,826人へ約1.9倍になりました。一方で、厚生労働省job tagの建築施工管理技術者の有効求人倍率は8.62倍(令和7年度)で、求人の数は人の数を大きく上回っています。

この先では、受検者と合格者の推移、合格者の年齢、求人側の数字を並べたうえで、転職の書類と面接で評価される経験の書き方をまとめます。

1級建築の受検者は5年で約1.9倍に増えた

第一次検定の受検者は、令和5年度の24,078人から令和6年度に37,651人へ一気に増えました。令和6年度から、1級の第一次検定は19歳以上であれば学歴や実務経験に関係なく受けられるようになったためです。令和7年度は41,812人、令和8年度は42,826人と増え続けています。

1級建築 第一次検定の受検者数 令和6年度から受検資格が19歳以上に広がった 受検資格の改正 22,277 27,253 24,078 37,651 41,812 42,826 令和3年度 令和4年度 令和5年度 令和6年度 令和7年度 令和8年度 単位は人
図: 1級建築施工管理技術検定 第一次検定の受検者数

出典: 一般財団法人 建設業振興基金「1級建築施工管理技術検定 結果表」 令和3年度 / 令和4年度 / 令和5年度 / 令和6年度 / 令和7年度 / 「令和8年度 第一次検定 実施結果」 PDF

第一次検定に受かった人は「1級建築施工管理技士補」と名乗れます。現場の経験を積んで第二次検定に受かると1級建築施工管理技士です。受検者が増えたのは入口の第一次検定で、資格者の数そのものが2倍になったわけではありません。

第二次検定の合格者は毎年約6,000〜7,000人

実際に「1級建築施工管理技士」になる第二次検定の合格者は、令和3年度から令和7年度まで毎年6,000人前後で、令和7年度は7,091人でした。受検者が増えた一方で合格率は下がり、令和7年度は39.0%です。

年度第二次検定 受検者合格者合格率
令和3年度12,813人6,708人52.4%
令和4年度13,010人5,878人45.2%
令和5年度14,391人6,544人45.5%
令和6年度14,816人6,042人40.8%
令和7年度18,160人7,091人39.0%

出典: 一般財団法人 建設業振興基金「1級建築施工管理技術検定 結果表」令和3〜7年度(上の図と同じ資料。令和7年度は令和8年1月25日の臨時試験を含む) 受検状況の一覧

令和6年度の第一次検定合格者は13,624人、令和7年度は20,294人でした。この人たちが実務経験を積んで第二次検定を受ける時期に入るので、今後は第二次検定の受検者がさらに増えると見込めます。合格者が毎年増えれば、「1級を持っている」だけでは書類の段階で差がつきにくくなります。

なお全国建設研修センターの1級管工事の発表資料では、制度改正前の受検資格で第二次検定を受けられる経過措置は令和10年度までと書かれています。建築で第二次検定を受ける予定の人は、建設業振興基金の受検の手引で自分の区分を確かめてください。

出典: 一般財団法人 全国建設研修センター「令和7年度 1級管工事・電気通信工事・造園施工管理技術検定 第二次検定の合格者の発表について」 PDF

合格者は29歳以下が3割、建設業で働く人は55歳以上が3割超

令和7年度の第二次検定の合格者7,091人を年齢で分けると、29歳以下が30.3%、30〜34歳が18.3%で、35歳未満が半分近くを占めます。勤務先は建設業が93.9%、設計事務所が1.6%、官公庁が1.0%でした。女性は10.3%です。

1級建築 第二次検定合格者の年齢 令和7年度、合格者7,091人の構成比 29歳以下 30〜34歳 35〜39歳 40〜44歳 45〜49歳 50〜54歳 55〜59歳 60歳以上 30.3% 18.3% 12.4% 12.0% 11.1% 9.4% 4.2% 2.3%
図: 令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第二次検定合格者の年齢構成

出典: 一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第二次検定 実施結果」合格者の主な属性 PDF

働く人全体で見ると、形は逆です。国土交通省の資料では、建設業の就業者478万人(令和7年平均)のうち55歳以上が36.6%、29歳以下が11.9%でした。現場を回す人の年齢は上に寄っていて、1級の新しい合格者は下に寄っています。

出典: 国土交通省「建設業を取り巻く状況等について」(総務省「労働力調査」をもとに国土交通省が作成) PDF

第一次検定の合格者を見ると、若い人の比率はさらに高くなります。令和8年度の第一次検定の合格者19,993人のうち、25〜29歳が23.8%、30〜34歳が15.1%でした。勤務先は建設業が63.7%で、「その他」が35.2%を占めています。女性は16.5%で、第二次検定の合格者(10.3%)より高い割合です。受検資格の改正で、建設業に入って間もない人や、まだ建設業で働いていない人も第一次検定を受けるようになったことが、この数字に表れています。

出典: 一般財団法人 建設業振興基金「令和8年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 実施結果」合格者の主な属性 PDF

会社の側から見ると、若い1級合格者は「これから育てる人」、30代後半から40代の1級は「すぐ現場を任せられる人」として探されることになります。年代による進め方の違いは40代の施工管理の転職でも扱っています。

求人側の数字は有効求人倍率8.62倍

厚生労働省job tagの建築施工管理技術者のページには、ハローワークの求人統計が載っています。令和7年度の有効求人倍率は8.62倍で、仕事を探す人1人に対して8件を超える求人がある計算です。

項目建築施工管理技術者出典の統計
賃金(年収)679.1万円令和7年賃金構造基本統計調査
平均年齢43.4歳令和7年賃金構造基本統計調査
就業者数242,580人令和2年国勢調査
求人賃金(月額)34.2万円(前年度差+0.9万円)ハローワーク求人統計(令和7年度)
有効求人倍率8.62倍ハローワーク求人統計(令和7年度)

出典: 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「建築施工管理技術者」(2026年10月26日確認) リンク。職業の別名に管工事施工管理技士・空調衛生設備施工管理技術者などを含む数字

有効求人倍率はハローワークに出された求人だけの数字で、転職サイトやエージェント経由の求人は入っていません。それでも、求人の賃金が前年度より0.9万円上がっている点は、会社が条件を上げて人を探していることを示しています。年収の数字の見方は1級施工管理技士の年収と資格手当の調べ方にまとめています。

転職市場で評価される経験

1級を持つ人が増えるほど、会社は資格の有無より「その人をどの現場に置けるか」を見ます。置ける現場を決めるのは、建設業法の技術者配置のルールです。令和7年2月1日からは、建築一式工事で技術者の専任が必要になる請負代金が9,000万円以上、建築工事業で特定建設業の許可と監理技術者が必要になる下請代金の合計が8,000万円以上になりました。

出典: 国土交通省 報道発表「建設業の各種金額要件や技術検定の受検手数料を見直します」 リンク

この金額を超える現場で、監理技術者や専任の主任技術者を務めた経験は、応募先がすぐ配置を考えられる材料になります。書類と面接では、次の形で数字をそろえて書きます。

経験の種類書類での書き方の例面接で深掘りされやすい点
配置の立場監理技術者として2件、専任の主任技術者として3件請負金額、工期、兼務の有無
建物の種類と規模RC造の共同住宅、延床○○㎡、地上○階構造・用途の幅、改修か新築か
管理の範囲施工計画書の作成、工程会議の運営、原価の月次管理工程が遅れたときの立て直し方
人の管理協力会社○社、部下の技術者○人安全書類の確認、朝礼・KYの回し方

若い1級合格者との差がはっきり出るのは、工程の遅れや設計変更の場面をどう収めたかです。竣工前の検査で手直しが重なったとき、どの順で片づけて引き渡しに間に合わせたか。数字と手順で話せる経験は、資格だけでは書けない部分です。

令和2年10月からは、1級技士補などを監理技術者の補佐として現場に専任で置けば、監理技術者が2つの現場まで兼ねられる仕組みもあります。補佐役の若手を指導しながら複数現場を見た経験があれば、それも書いておく価値があります。

出典: 国土交通省 関東地方整備局「監理技術者の兼務(特例監理技術者)について」 PDF

経験の数字をそろえたら、条件の合う求人を集めます。1級建築の資格を持っていて、手当や配置の条件まで比べたい人は、施工管理の求人を扱う転職サービスで条件を指定して探す方法があります。

市場の数字から読める3つのこと

ここまでの数字を、転職の判断に使える形にまとめ直すと次の3つになります。

数字から読める3つのこと 1. 資格者は毎年増える 2. 求人は人より多い 3. 差がつくのは配置の経験 二次合格は年6〜7千人、一次受検は4万人超 有効求人倍率8.62倍・求人賃金+0.9万円 専任・監理技術者を務めた現場の金額と件数
図: 1級建築施工管理技士の転職市場について、公表データから読める3つのこと

求人が多いうちは、資格だけでも書類は通りやすい状態が続きます。ただ、毎年6,000〜7,000人ほどの新しい1級技士が加わるので、条件の良い求人ほど経験の中身で比べられます。行き先ごとの違いは1級建築施工管理技士の転職先で比べています。

よくある質問

1級建築施工管理技士は今も転職で有利ですか。
job tagの建築施工管理技術者の有効求人倍率は8.62倍(令和7年度)で、求人は多い状態です。ただし第二次検定の合格者は毎年約6,000〜7,000人(令和3〜7年度は5,878〜7,091人)いるので、条件の良い求人では監理技術者や専任技術者として務めた現場の規模で比べられます。
1級技士補(第一次検定だけ合格)でも評価されますか。
1級技士補は監理技術者の補佐として現場に置けるため、求人票に「技士補可」と書く会社があります。ただ、技士補は令和6年度から受検者が増えて人数も多くなっているので、第二次検定の受検予定や現場経験と合わせて伝える方が評価を受けやすくなります。
40代・50代で1級を持っていても、若い合格者に負けませんか。
若い合格者が増えているのは、主に第一次検定の段階です。第二次検定の合格者に占める40歳以上の割合は令和7年度で39.0%あり、40代以上でも1級を取る人は少なくありません。比べられるのは年齢より、監理技術者や専任の技術者として務めた現場の規模と件数です。
2級建築から1級を取ると何が変わりますか。
1級を取ると、特定建設業で監理技術者が必要な現場にも配置される候補になります。令和7年度の1級第二次検定の合格者のうち、2級建築の合格者は12.1%でした。残りの87.9%は、資料の集計では2級建築の合格者に入っていない人です。

次にやること

  1. 直近5年の現場を、請負金額・配置の立場(監理技術者・専任の主任技術者など)・建物の種類で一覧にする
  2. その一覧から、9,000万円以上の建築一式工事や下請代金8,000万円以上の現場を印で分けておく
  3. 工程の遅れや設計変更を収めた場面を2つ選び、何をどの順でしたかを3行ずつ書き出す

セコカン転職マップ編集部

施工管理の働き方と転職について、国土交通省・厚生労働省などの公的データと、求人票・試験団体の公表資料をもとに調べて書いています。数字には出典と年度を付けています。