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管工事施工管理の転職|空調・衛生の経験が評価される会社の見分け方

セコカン転職マップ編集部

管工事施工管理の転職|空調・衛生の経験が評価される会社の見分け方

この記事には広告(PR)が含まれることがあります。掲載している数字・内容は、広告の有無に関係なく公的データや公表資料をもとにしています。

管工事施工管理の転職で空調・衛生の経験が評価されるのは、その経験を「配置できる技術者」として数えられる会社です。全国建設研修センターの公表では、令和7年度の1級管工事施工管理技術検定 第二次検定の合格者4,360人のうち、大臣許可の管工事業の会社に勤める人が38.9%、知事許可の管工事業の会社が35.3%で、合わせて74.2%でした。多くの人は管工事の会社どうしで移ることになり、比べる点は担当する工事の種類と、1人あたりの現場の数です。

この先では、合格者の勤務先と年齢の数字を確かめたうえで、4つの行き先の違いと、空調・衛生の経験を書類で伝える書き方を並べます。

1級管工事の合格者はどこで働いているか

令和7年度の第二次検定の合格者の勤務先を分けると、管工事業の会社が大臣許可と知事許可で合わせて74.2%、管工事業以外の建設業の会社が大臣許可と知事許可で合わせて15.3%、公務員・独立行政法人等が3.6%でした。

1級管工事 合格者の勤務先 令和7年度二次検定・合格者4,360人の構成比 大臣許可の管工事業 知事許可の管工事業 大臣許可のその他業種 知事許可のその他業種 その他 公務員・独法等 建設業許可なし 建設コンサルタント 38.9% 35.3% 9.0% 6.3% 4.3% 3.6% 2.0% 0.6%
図: 1級管工事施工管理技術検定 第二次検定合格者の勤務先(令和7年度)

出典: 一般財団法人 全国建設研修センター「令和7年度 1級管工事・電気通信工事・造園施工管理技術検定 第二次検定の合格者の発表について」別紙(合格者属性) PDF

年齢で見ると、29歳以下が16.4%、30〜34歳が20.2%、35〜39歳が16.4%、40代が合わせて27.1%、50歳以上が20.0%で、建築や電気より年齢の幅が広く分かれています。合格者のうち2級管工事の合格者が占める割合は42.3%で、2級から1級へ上がる人が多い資格です。女性の合格者は6.9%で、資料では過去最高とされています。

管工事業の会社そのものは、国土交通省の調査で令和8年3月末に91,168業者ありました。資本金で分けると5,000万円未満の会社が85,375業者で93.6%を占め、1億円以上は2,093業者です。転職先の候補の大半は地域の中小の設備会社だということになります。

出典: 国土交通省「建設業許可業者数調査の結果について(令和7年度末)」調査結果(詳細)表-3・表-6 PDF(割合は表の値から計算)

資格者の数と、公的な年収の数字

1級管工事の資格者がどれくらい増えているかは、第一次検定と第二次検定の数字で分かります。令和8年度の第一次検定は27,740人が受検して10,979人が合格し、令和7年度(受検23,826人・合格9,224人)より受検者が3,914人増えました。第二次検定は、令和7年度が受検6,886人・合格4,360人(63.3%)、令和6年度が受検8,736人・合格6,661人(76.2%)です。

区分年度受検者合格者合格率
第一次検定令和7年度23,826人9,224人38.7%(計算値)
第一次検定令和8年度27,740人10,979人39.6%
第二次検定令和6年度8,736人6,661人76.2%
第二次検定令和7年度6,886人4,360人63.3%

出典: 一般財団法人 全国建設研修センター「令和8年度 1級管工事・電気通信工事・造園施工管理技術検定 第一次検定の合格者の発表について」 PDF / 「令和7年度 第二次検定の合格者の発表について」 PDF

年収について、厚生労働省job tagには管工事施工管理だけのページはありません。管工事施工管理技士と空調衛生設備施工管理技術者は「建築施工管理技術者」の別名として扱われていて、その年収は679.1万円、平均年齢は43.4歳です(令和7年賃金構造基本統計調査を加工した値)。建築の施工管理と合わせた数字なので、管工事だけの平均ではない点に注意してください。

出典: 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「建築施工管理技術者」(2026年10月26日確認) リンク

4つの行き先を並べて比べる

管工事施工管理のまま移る場合の行き先は、空調・衛生のサブコン、地域の設備会社、ゼネコンの設備担当、設備管理会社と発注者側の4つです。仕事の中身と、評価されやすい経験を並べました。

行き先主な仕事忙しさの出方評価されやすい経験
空調・衛生のサブコン(大手・中堅)ビル・病院・工場の空調、給排水衛生設備の施工管理ゼネコンの工程に合わせるため、試運転調整の時期に集中する熱源・ダクト・配管の施工管理、監理技術者の経験
地域の設備会社中小規模の新築・改修、学校や庁舎など公共施設の設備工事公共工事の比率で年度末や夏休みの偏りが変わる1人で現場を回した件数、公共工事の書類
ゼネコンの設備担当設備工事全体の工程・品質・取り合いの調整建築の工程と一緒に動く空調・衛生・電気の取り合い調整、施工図の確認
設備管理会社・発注者側建物の設備の更新工事の計画・発注・監理自社で施工しないので現場に張り付く時間は減りやすい。設備の不具合で呼び出しがある会社も居ながら改修の段取り、業者の見積もりの査定

忙しさの偏りには、管工事ならではの特徴があります。国土交通省の資料に載っている地場ゼネコンへの聞き取りでは、公共工事の発注が偏ったとき、空調工事が続けば空調設備の業者が、トイレ工事なら衛生設備の業者が繁忙期になるという回答がありました。同じ管工事でも、空調が中心の会社か衛生が中心の会社かで、忙しい時期が変わります。

出典: 国土交通省「建設業を取り巻く状況等について」内「建設業における業務の繁閑に関する所感(地場ゼネコン)」 PDF

サブコンとゼネコンの働き方の違いはゼネコンとサブコンの施工管理の違い、サブコンが忙しいと言われる理由はサブコンの施工管理がきついと言われる理由で詳しく扱っています。

空調と衛生、評価される経験の書き方

管工事の施工管理は、同じ資格でも空調と衛生で担当する設備が違います。応募先が欲しいのはどちらの経験かを求人票で読み取り、自分の経験を同じ言葉で書くと、書類で伝わりやすくなります。

空調と衛生、書類に書く経験の例 空調設備 給排水衛生設備 担当した設備 規模を示す数字 評価されやすい場面 担当した設備 規模を示す数字 評価されやすい場面 熱源機器・空調機 ダクト・冷温水配管 自動制御との取り合い 延床面積・冷凍能力 工期・請負金額 試運転調整の段取り 居ながらの空調更新 給水・排水・給湯配管 衛生器具・消火設備 受水槽・ポンプ類 延床面積・器具の数 工期・請負金額 水圧・通水試験の管理 トイレ改修の工程割り
図: 空調と衛生の施工管理経験を職務経歴書に書くときの例

どちらの経験でも、「何の設備を」「どの規模で」「どの立場で」担当したかを数字で書きます。令和7年2月1日からは、建築一式以外の工事で技術者の専任が必要になる請負代金が4,500万円以上、監理技術者が必要になる下請代金の合計が5,000万円以上になりました。この金額を超える現場で専任の技術者や監理技術者を務めた経験は、応募先がすぐ配置を考えられる材料です。

出典: 国土交通省 報道発表「建設業の各種金額要件や技術検定の受検手数料を見直します」 リンク

空調と衛生の両方を担当してきた人は、ゼネコンの設備担当や設備管理会社のように、設備全体を見る立場で評価されやすくなります。電気設備との取り合いを調整した経験も書いておくと、設備全体を見られる人として読まれます。電気側の転職先は電気施工管理の転職先で比べています。

行き先と経験の書き方が決まったら、施工管理の経験者・有資格者向けの求人を扱う転職サービスで、空調・衛生のどちらの求人かを指定して集める方法もあります。

求人票で確かめる4つの場所

管工事の求人票は「設備施工管理」とまとめて書かれていることが多く、空調と衛生のどちらの仕事かが読み取りにくいことがあります。次の4つの場所を確かめてください。

管工事の求人票のここを見る(例) 仕事内容 施工実績 勤務時間 休日 空調・衛生設備工事の 施工管理 事務所ビル・病院の改修 8:00〜17:00(夜間あり) 土日祝(現場による) 空調と衛生のどちらが 中心か、担当の範囲 新築と改修の割合、 公共工事の割合 夜間作業の頻度と、 翌日の勤務の扱い 技術者本人の休日の 月平均の日数
図: 管工事施工管理の求人票で確かめる4つの場所(記載は例)

残業の上限は、2024年4月から建設業にも適用されています。原則は月45時間・年360時間で、特別な事情があって労使が合意した場合でも年720時間以内、月45時間を超えられるのは年6か月までです。試運転調整や引き渡し前に残業が集中する会社では、上限を守るために、その時期に人を増やしているか、工程に余裕を持たせているかが分かれ目になります。面接では「竣工前の1か月、技術者は何人で現場を見ますか」と聞くと、体制の厚さが分かります。

出典: 厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」 リンク

改修工事が中心の会社では、建物を使いながらの工事になるため、テナントが休む夜間や休日に作業が入ることがあります。「夜間あり」と書かれていたら、月に何回か、翌日は休みか午後からの勤務かを面接で聞いてください。休日欄に「現場による」とある場合は、技術者本人の月平均の休日数を数で確かめます。休みを数字で比べる方法は残業が少ない施工管理の職場でも扱っています。

比べる軸は2つに絞る

空調と衛生のどちらを担当するかと、新築と改修の割合。この2つで今の仕事と応募先を並べると、経験がそのまま使えるか、働く時間帯が変わるかが先に分かります。

よくある質問

2級管工事施工管理技士でも転職できますか。
2級でも主任技術者として現場に置けるため、求人はあります。令和7年度の1級合格者のうち2級合格者が42.3%を占めているように、2級で経験を積みながら1級を取る人が多い資格です。監理技術者が必要な大きな現場を担当したい場合は1級が必要になります。
給排水衛生の経験しかなくても空調の会社に移れますか。
応募はできますが、熱源やダクトの施工管理の経験を求める求人では、書類の段階で比べられやすくなります。求人票の「求める経験」に空調の機器名が並んでいるかを確かめ、衛生中心の求人や、設備全体を見る設備管理会社と並行して応募すると選択肢が広がります。
管工事の経験は、上下水道などの土木系の会社でも評価されますか。
道路の下の上下水道管の工事は、建物の中の給排水設備と施工の進め方が違い、求人によっては土木施工管理の資格や経験を求めることがあります。応募する前に、求人票の「仕事内容」で、建物の設備工事か管路工事かを確かめてください。
管工事施工管理から設備管理(ビルメンテナンス)へ移ると何が変わりますか。
自分で工事を施工する立場から、建物の設備を保守し、更新工事を業者に発注する立場に変わります。現場に張り付く時間は減りやすい一方、設備の不具合で呼び出しがある会社もあるので、当番の回し方を確かめてください。

次にやること

  1. 直近3年の現場を、空調・衛生のどちらか、新築か改修か、立場と請負金額で一覧にする
  2. 4つの行き先から2つを選び、求人票の仕事内容と施工実績で空調・衛生と改修の割合を読み取る
  3. 面接で夜間作業の頻度と、技術者本人の月平均の休日数を同じ聞き方で2〜3社に聞き、表に並べる

セコカン転職マップ編集部

施工管理の働き方と転職について、国土交通省・厚生労働省などの公的データと、求人票・試験団体の公表資料をもとに調べて書いています。数字には出典と年度を付けています。