転職の進め方

「1級土木に1問足りずに落ちた」施工管理技士の不合格の年、転職かもう1年受けるか

セコカン転職マップ編集部

「1級土木に1問足りずに落ちた」施工管理技士の不合格の年、転職かもう1年受けるか

この記事には広告(PR)が含まれることがあります。掲載している数字・内容は、広告の有無に関係なく公的データや公表資料をもとにしています。

施工管理技士に1問足りずに落ちても、現場で積んだ経験は消えず、転職をあきらめる理由にはなりません。令和8年度の1級土木の第一次検定は、受検した50,012人のうち合格は24,927人(49.8%)で、半分ほどの人が同じ結果を受け取っています。決めるべきなのは「今の会社で受け直す方が受かりやすいか」「先に勉強時間の取れる会社へ移る方がよいか」の2択です。

Xでは「1級土木を1問足りずに落ちた」という声も見かけます。落ちた直後の秋は、転職と受験の両方を組み直すにはちょうどよい時期です。

1問足りずに落ちたら、転職で不利になる?

不合格の結果が転職先に知らされる仕組みはありません。履歴書に書くのは持っている資格だけで、受けて落ちた回数を書く欄はありません。面接で「今年受けて、あと1問でした。来年も受けます」と言えるなら、勉強を続けている人として伝わります。

そもそも1級の第一次検定は、受けた人の半分前後が落ちる試験です。令和8年度の結果を並べます。

1級 第一次検定の合格率(令和8年度) 1級土木 49.8% 1級建築 約46.7% 1級管工事 39.6% 建築は受検者と合格者の数から計算した値
図: 令和8年度 1級施工管理技術検定 第一次検定の合格率
試験(令和8年度 第一次)受検者合格者合格率
1級土木(2026年7月5日)50,012人24,927人49.8%
1級建築(2026年7月19日)42,826人19,993人約46.7%
1級管工事(2026年9月6日)27,740人10,979人39.6%

出典: 一般財団法人 全国建設研修センター「令和8年度 1級土木施工管理技術検定 第一次検定 合格者の発表について」 PDF / 同「1級管工事施工管理技術検定 第一次検定」 PDF / 一般財団法人 建設業振興基金「令和8年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 実施結果」 PDF

令和6年度から、1級の第一次検定は19歳以上なら学歴や実務経験に関係なく受けられるようになり、受検者が増えています。受かった人の数も多い一方で、落ちた人も毎年万単位でいます。1問の差で落ちたなら、来年に向けて足りなかった分野だけを詰めれば届く位置にいます。

1問の差は、どこで落としたかを分けて見る

1問足りなかったときは、点数より「どの分野で落としたか」を先に出します。土木なら土工・コンクリート・法規・施工管理のように、分野ごとに正解の数を数えると、来年に詰める所が2〜3分野に絞れます。毎年同じ分野で落としているなら、勉強のやり方を変える合図です。過去問を解いた日付と点数を手帳に残しておくと、転職の面接で勉強の進み具合を聞かれたときにも、そのまま答えに使えます。

勉強を続けるには、平日に30分でも机に向かえる日があるかどうかが分かれ目になります。工期末の月に毎晩現場事務所で書類をしていると、その30分が取れません。今の働き方で来年の試験までの時間が組めるかを、次の章の図で確かめてください。

今の会社に残るか、先に移るか

迷ったら、「来年の試験までの9か月で、勉強時間を確保できるのはどちらか」で考えます。資格を取るまで今の会社にいるつもりでも、工期末と試験前が重なって勉強できなければ、同じ結果になりかねません。

残って受ける方が合う人 先に移ってから受ける人 ・来年の試験前に工期末がない ・受験費用や講習を会社が出す ・残業が月45時間以内に 収まっている ・実務経験の証明を頼める 上司がいる ・試験前も休日出勤が続く ・勉強する時間が平日に まったく取れない ・資格を取っても手当や 役職が変わらない ・残る理由が資格だけ 今の現場の区切りまで 勉強を優先する 冬〜春に移って 夏の試験に間に合わせる
図: 不合格の年に、残るか先に移るかを分ける目安

右の列に当てはまる項目が多いなら、資格を取るまで待つ理由は薄くなります。資格を取ってから辞める考え方の損得は「施工管理技士を取ったら辞める」は得かを考えた記事に書いています。

残業が月45時間を超える月が続いているなら、そもそも2024年4月からの上限規制の原則(月45時間・年360時間)を超えています。数え方は施工管理の残業上限の記事で確かめてください。

転職する前に控えておく3つのこと

先に移ると決めた人は、退職を伝える前に次の3つを手元に残します。特に1つ目は、辞めた後だと頼みにくくなります。

控えるもの理由
担当した工事の一覧(工事名・期間・立場・請負金額)第二次検定の申込みでは、原則として工事ごとに会社の代表者や監理技術者などの証明が要る
今年の試験の自己採点と、落とした分野次の勉強の範囲が決まる。面接で「何が足りなかったか」を言える
今の会社の資格取得支援の規定受験費用の返還などの決まりがあるかを先に知っておく

出典: 一般財団法人 全国建設研修センター「令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります」 PDF

工事の一覧は、竣工した現場だけでなく、途中で担当を外れた現場も書いておきます。期間・立場・工種が分かれば、受検資格に数えられる経験かどうかを後で確かめられます。社内の工事台帳や契約書の写しを見て工事名と請負金額を正しく写しておくと、証明を頼むときに相手の手間も減ります。

令和3年度以降に1級の第一次検定に受かった人は、合格後5年以上の実務経験(特定実務経験1年以上を含めば3年以上)で第二次検定を受けられます。令和10年度までは、改正前の受検資格でも第二次検定を受けられる経過措置があります。どちらで受けるかによって必要な証明が変わるので、受検の手引で確かめてください。

3つのうち、資格取得支援の規定は総務に聞くと退職の意思が伝わりやすいので、就業規則や社内の掲示で自分で確かめる方が無難です。規定が見つからないときは、内定を受け取った後に確かめても間に合います。

来年の試験から逆算する転職の時期

移るなら、試験の直前に新しい会社へ入るのは避けます。新しい現場に慣れる時期と、試験前の追い込みが重なるからです。1級土木の第一次検定が7月上旬にある年を例に、時期を並べます。

時期やること
10〜11月自己採点で弱い分野を出す。工事の一覧を控える。求人を集め始める
12〜2月応募と面接。面接で「来年受けること」と勉強時間の取りやすさを聞く
3〜4月入社。工期の区切りに合わせて今の会社を退職
5〜6月新しい現場に慣れながら、過去問を回す
7月第一次検定(令和8年度の1級土木は7月5日)

1級建築は7月中旬、1級管工事は9月上旬(いずれも令和8年度)と、種目によって試験日がずれます。来年度の日程は、試験をする団体の発表で確かめてから組んでください。

資格がないと転職できないって本当?

求人の中には「1級施工管理技士 必須」のものもありますが、「2級以上」「1級取得予定者可」「資格取得支援あり」と書いた求人もあります。落ちた年でも応募できる求人は残っています。

見るべきなのは、入った後に資格を取りやすいかどうかです。面接では、受験費用の補助、試験前の休みの取り方、合格後の手当と配置を聞きます。1級を持つ人がどう評価されるかは1級建築施工管理技士の転職市場に、土木の行き先は土木施工管理の転職先の比較にまとめています。

2級を持っている人は、「2級以上」の求人に応募しながら1級を目指せます。主任技術者として現場を持った経験は、1級を取る前でも経験として数えられます。面接では、担当した工事の種類と規模、立場を先に話し、「来年1級を受けます」と添えると、入社後の配置を会社が考えやすくなります。

資格の等級ごとに求人を探せる転職相談もあります。持っている資格と受験予定をそのまま伝えると、今の段階で応募できる求人が分かります。

よくある質問

1問足りなかっただけなのに、来年また最初から受けるの?
第一次検定に落ちた場合は、翌年もう一度第一次検定から受けます。第一次検定に受かって第二次検定で落ちた場合は、第一次検定の合格を生かして第二次検定から受けられます。自分の受検資格の扱いは、受検の手引で確かめてください。
落ちたことって、面接で言った方がいいですか?
聞かれたら、事実をそのまま言えば足ります。「今年は1問足りませんでした。来年は〇〇の分野を固めて受けます」のように、次の予定まで言うと、勉強を続ける人として伝わります。
転職したら、前の会社の現場の経験は受検に使えなくなりますか?
経験そのものは使えます。ただ、第二次検定の申込みでは、原則として工事ごとに会社の代表者や監理技術者などの証明が要ります。退職前に担当した工事の一覧を控え、証明を誰に頼むかを決めておくと、あとで困りません。
試験勉強と転職活動、同時にやるのは無理ですか?
時期をずらせば両立できます。秋から冬に転職活動、春に入社、夏に試験という順なら、試験の直前に新しい職場へ入るのを避けられます。残業が多くて勉強も転職活動もできないときは、先に辞める前に確かめることを見て、体を休める時間を確保してください。

次にやること

  1. 今年の試験の自己採点を見直し、落とした分野を3つまで書き出す
  2. 担当した工事の一覧(工事名・期間・立場・請負金額)を作り、証明を頼む相手を決める
  3. 来年の試験日から逆算して、残って受けるか、冬〜春に移ってから受けるかを決める

セコカン転職マップ編集部

施工管理の働き方と転職について、国土交通省・厚生労働省などの公的データと、求人票・試験団体の公表資料をもとに調べて書いています。数字には出典と年度を付けています。